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2005 年度 実績報告書

本邦河川水質の現況と生活・産業・水理構造の変化による近過去からの変容

研究課題

研究課題/領域番号 16310010
研究機関京都大学

研究代表者

杉山 雅人  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (10179179)

研究分担者 堀 智孝  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (40108981)
キーワード河川 / 水質 / 環境影響 / 中途停滞水域 / シリカ欠損
研究概要

山口県から兵庫県にかけて瀬戸内海に流入している河川、ならびに北海道の北東部オホーツク海に流入する河川と北西部日本海に流入する河川、計22河川の調査を行った。溶存態の主要・微量元素ならびに栄養塩、懸濁態の主要・微量元素と植物色素を分析した。これまでに行ってきた太平洋流入河川ならびに北陸地方の河川の結果と併せて次のような知見が得られた。
各種の元素濃度は1950年代の値に比べて次のように変化していた。Cl、Ca、Mg、Na、K、SO_4の濃度は激増していて、この原因は人為的な負荷によるものと考えられた。しかし、その経路についてはCl、Ca、Mg、Na、Kは排水由来と考えられたが、SO_4は排気ガス由来と推測された。これらの元素とは対照的に、Siの濃度は減少していた。これは河川流程における中途停滞水域の出現によるものと考えられた。すなわちダム湖などでの珪藻繁茂によるSiの摂取、湖底への沈降に伴う溶存態Si濃度の減少が起こっているものと考えられた。
岡山県北部に新しく建設された苫田ダム(奥津湖)で化学観測を施して、中途停滞水域(ダム湖)でのSi濃度の変化について予備調査を行った。ダム湖に流入する河川水中のSi濃度に比べダム湖水や流出水中のそれは明らかに濃度が低く、珪藻による溶存態Siの湖底堆積物への固定が行われていることが明らかになった。一方、アルカリ度類元素などの主要成分についてはこのような濃度減少は見られなかった。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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