研究課題/領域番号 |
16310015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
渋谷 和雄 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (80132710)
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研究分担者 |
藤本 博巳 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50107455)
谷口 真人 総合地球環境研究所, 助教授 (80227222)
青木 茂 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (80281583)
石川 尚人 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (30202964)
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キーワード | GRACE衛星 / 地上検証 / 南極 / VLBI / GPS / 精密重力 / 海底圧力計 / 湧出量計 |
研究概要 |
2003年3月に打ち上げられたGRACE衛星は、地球表層の大気・海水・氷床変動を重力変動の観点から明らかにすることを目的とした衛星である。本研究の目的は、極域で取得された(される)データを用いて、地上でのさまざまな時定数の重力変動を検出し、GRACEデータの示す変動とつき合わせ解釈することであるが、(1)従来データの解析でわかった知見、(2)新たな測器を設置しデータを取得する、の2パートから成る。(1)については1999-2003年のVLBIデータ解析から昭和基地、オヒギンズ基地の地殻隆起速度がそれぞれ3mm/yr,5mm/yrと求められ(Fukuzaki et al.によりJournal of Geodesyへ投稿査読中)、昭和基地の値はGPSによる沿岸露岩域の結果と整合していること(Ohzono et al.により準備中)、絶対重力測定による10年間の変動は-0.27μGal/yrで、VLBI/GPS隆起と調和していること(Fukuda et al.によりIAG Symposia Volume受理)などが上げられる。一方、(2)であるが、研究はほぼ交付申請書通りに進行している。事前調査をもとに66°51'S,37°49'E,水深4600m地点に2台の海底圧力計を設置したが、回収された1台には2004年12月26日発生のスマトラ地震津波も明瞭に記録されていた。これは「しらせ」での設置・揚収訓練を十分行った成果であり、南大洋での観測機器展開の可能性を開いたものである。一方、湧出量計について国内での使用実績を積み重ねる(例えばTaniguchi et al.によりGroundwaterへ投稿)ことはもとより、南極氷海で1500m深度まで適用できるよう設計を工夫し、第46次越冬隊が観測を実施するところまで準備が進んでいる。
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