研究課題
基盤研究(B)
本研究では、研究開始をする平成16年以前の観測の実施によって、解析を実施する対象の氷床レーダ探査のデータセットは既に揃っている。研究は、このデータセットと、それを処理するのに適した計算機や計算プログラムを活用した情報解析処理の研究としてスタートした。研究初年度は、当初からの研究計画に沿って以下の項目に重点をおき研究作業をすすめた。1.氷床内部の電磁波伝搬プロセスの評価作業。(主担当:藤田)2.氷床内部の物理構造の総合評価作業。(1)氷床内部からの電波反射で抽出できる「等年代面」の広域抽出。(主担当:藤田、藤井)(2)氷床内部の電波反射の主要原因を広域抽出し、3次元力学構造の解明をする。(主担当:藤田)(3)氷床内部の電波無反射層(通称エコーフリーゾーン)を広域抽出し、3次元力学構造の調査。(藤田)3.1980年代に蓄積されたアナログ形式のレーダデータのデジタルアーカイブ化作業。特に1については、氷床内部の電波伝搬のモデル構築とシミュレーション、それに南極での実地測定のデータ比較検証を実施した。これは2編の論文としてとりまとめ投稿準備をすすめている。2については南極氷床頂上付近に位置するドームふじ基地近傍の観測データの処理をすすめ、現地の氷床内部の物理構造の総合評価作業をすすめた。これについては、現地で掘削をした氷床コア信号との比較検討をすすめている。3については、1990年以前に得られているアナログ形式のデータをデジタル化するソフトウェアの整備をすすめた。研究2年目となる平成17年度とそれ以降に、デジタルデータの整備をすすめる準備を整えた。研究成果として示した論文のうち、1編目は本研究の準備段階からすすめていたもので、データアーカイブのなかから氷床内部構造の検討をした成果である。2編目以降、計3編の論文は、南極ドームふじの氷床物理層構造の環境を研究した成果である。平成17年度は、さらに上記1〜3の項目に力点を置き、データの解析研究をすすめる。
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Annals of Glaciology 39(印刷中)
Journal of Geophysical Research 109
ページ: D04307-1-D04307-6
Journal of Glaciology (印刷中)
Journal of Geophysical Research (印刷中)