研究課題
本研究の目的は、高い生産性と生物多様性に支えられる東南アジアの熱帯林において、炭素収支推定に対して必要とされるパラメータをモデルコラム観測により継続的に取得し、時空間データとして整備・蓄積し、これらの実測データや数値シミュレーションに基づいて炭素収支モデルを確立することである。さらにモデルコラム観測から時空間変動を明らかにし、マルチスケール統合型の炭素収支推定モデルを目指す。炭素収支推定は、これまで生態プロセスや環境物理といった個別な分野で独立に議論されてきた。本研究では、個別な専門分野を持つ分担者がそれぞれの役割を生かして、相互検証に基づいた基礎研究発展型の学際的研究を目指す。また、データ間整合性を重視して異なる時空間スケールを統合した再現性の高いモデル構築を目指す。17年度は、研究期間の2年目にあたり、以下の項目について調査研究を実施した。1)フラックス計測による基礎情報蓄積の継続継続して収集している炭素収支推定に資する基礎情報をさらに継続し、データ整理・データベース化を図った。2)時系列林冠3次元構造データの利用近接非接触計測によって時系列で得られた林冠表面の3次元構造データを用いて、林冠の動態変化を追跡するとともに、そこを構成する葉の3次元分布把握手法開発を行った。3)森林の空間構造と結びつけた生理生態特性把握個葉レベルでの光合成量計測を実施・蓄積し、これまでに蓄積した基礎データとの突合せ、並びに個葉レベルの生理生態特性把握から群落レベルへのスケールアップについて検討した。4)既存炭素収支推定モデルの相互検証既存炭素収支推定モデルとして挙げた「個葉・枝レベルでの生理・生態プロセスを群落レベルに展開して推定」・「群落動態を毎木調査やアロメトリにより観測し推定」・「大気・林冠におけるガス交換と気象条件を観測し推定」する3手法について、さらに詳細な検討を行った。[研究協力者]近畿測量専門学校・山下 恵・時系列林冠3次元構造データの構築と利用森林総合研究所・田中憲蔵・個葉レベルの光合成計測とそのデータ解析
すべて 2006 2005
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