研究課題/領域番号 |
16310022
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
原科 幸彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20092570)
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研究分担者 |
錦澤 滋雄 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (70405231)
松本 安生 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (00272683)
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キーワード | 戦略的環境アセスメント / 予測・評価手法 / 住民参加 / 合意形成 |
研究概要 |
1.新たなSEA方法論の検討 初年度の成果を踏まえ、英米など環境先進諸国の特徴を分析し、新たなSEA方法論を検討した。ここで特に配慮した点は、スコーピングにおけるワークショップなどの会議形式での参加手法の活用である。これを国際影響評価学会(IAIA)のボストンでの世界大会、プラハでのSEA研究集会などで発表し、我々の方法論について海外の専門家と意見交換を行った。その結果、代替案検討に必要な総合評価手法の開発が我が国でも求められる段階になったという感を強くした。国内でも、環境アセスメント学会、日本計画行政学会、環境情報科学センター、日本地域学会などの大会で発表した。 2.評価手法の考案 具体的な評価手法の考案に向けて、東京都心部を対象に大規模総合開発に対するSEAの適用を想定し、現行手法における評価の問題点を整理した。このため、東京都心部での高層建築物立地のマクロな動向の把握を行い、その上で、港区汐留地区の再開発を具体事例に既存の環境アセスメントにおける評価手法の問題点を明らかにした。この成果は、国際地域学会太平洋地区大会(PRSCO)や日本不動産学会などで発表し、当該分野の専門家と意見交換した。PRSCOの発表論文は現在、投稿中である。また、日本におけるドイツ年の国際シンポジウムでも関連発表を行った。 3.我が国おける評価手法導入の可能性の調査 評価手法の我が国への導入可能性の検討と、実情に即した手法開発のための情報を得ることを目的に、47都道府県と13政令指定都市を対象に郵送法による悉皆調査を、2006年1月に実施した。調査結果の分析から、現在直面している課題は、社会・経済面と環境面の比較考量方法が必要なこと、上位段階における情報公開、住民参加の方法が求められていることなどが抽出された。この結果から、情報公開と住民参加の推進を含めた評価手法の開発が求められていると考えられるが、具体的な導入にあたっては環境部局と事業部局の調整が特に重要なことも示唆された。
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