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2004 年度 実績報告書

NHEJ修復と線量率効果-どこまで線量率を下げられるか

研究課題

研究課題/領域番号 16310040
研究種目

基盤研究(B)

研究機関(財)体質研究会

研究代表者

内海 博司  (財)体質研究会, 主任研究員 (20025646)

研究分担者 立花 章  京都大学, 放射線・生物研究センター, 助教授 (20188262)
高橋 昭久  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60275336)
キーワードニワトリ細胞 / HR修復系 / NHEJ修復系 / 急照射 / 緩照射 / DSB
研究概要

4種のDSB修復欠損(DT40,RAD54^<-/->,KU70^<-/->,KU70^<-/->/RAD54^<-/->)を、1Gy/minの急照射と1Gy/dayの緩照射を行って、それら8本の生存率曲線を比較検討した。NHEJ修復系を保有するDT40,RAD54^<-/->細胞は生存率が上昇した。しかし、KU70^<-/->細胞とダブルノックアウトKU70^<-/->/RAD54^<-/->細胞と急照射のKU70^<-/->/RAD54^<-/->の3つの生存率曲線がまったく同じになった。
分割照射回復(エルカインド回復)がHR修復系と関連していることが明らかにされとことと、緩照射は多分割照射の極限状態と考えられていたので、HR修復系を持つ細胞(KU70-/-)は緩照射で生存率が上がると仮定されていた。しかし結果は意外で、NHEJ修復系が重要であることを既に我々が明らかにしていた。実験系をよく考えるに、ニワトリ細胞はplateau期を作れないので、実験はlog状態で行っていたので、細胞はあらゆる細胞周期で照射されていることになる。そこで、G1期にはNHEJ修復系しか働いていないので、この修復系を欠損したKU70^<-/->/RAD54^<-/->やKU70^<-/->細胞がその細胞周期に訪れるたびに、高感受性になったと考えられた。
本年は、NHEJ修復系に関係する他の遺伝子類を欠損したDNAPKcs^<-/-/->やLIGIV^<-/->変異細胞を用いて、1Gy/dayの緩照射の条件ではHR修復系よりNHEJ修復系が重要であることを明らかにすることが目的であった。結果は、1Gy/dayの緩照射では、両DNAPKcs^<-/-/->やLIGIV^<-/->変異細胞とも、KU70^<-/->/RAD54^<-/->細胞と同じくらい高感受性になった。1Gy/day緩照射の条件では、NHEJ修復系に関与するどの遺伝子が欠損しても高感受性になることから、HR修復系よりNHEJ修復系が重要であると結論づけた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Genetic and physiological regulation of non-homologous end-joining in mammalian cells.2004

    • 著者名/発表者名
      Tachibana, A.
    • 雑誌名

      Adv Biophys. 38

      ページ: 21-44

  • [雑誌論文] Low transposition frequency of the medaka fish TO12 element may be due to extranuclear localization of its transposase.2004

    • 著者名/発表者名
      Iida, A., et al.
    • 雑誌名

      Genes Genet.Sys. 79

      ページ: 119-124

  • [雑誌論文] Stress induced premature senescence in hTERT expressing ataxia telangiectasia fibroblasts.2004

    • 著者名/発表者名
      Naka, K., et al.
    • 雑誌名

      J Biol.Chem. 279

      ページ: 2030-2037

  • [雑誌論文] Evidence for the involvement of double-strand breaks in heat-induced cell killing2004

    • 著者名/発表者名
      Takahashi A, et al.
    • 雑誌名

      Cancer Res 64

      ページ: 8839-8845

  • [雑誌論文] Sensitization by glycerol for CDDP-therapy against human cultured cancer cells and tumors bearing mutated p53 gene.2004

    • 著者名/発表者名
      Yuki K, et al.
    • 雑誌名

      Apoptosis 9

      ページ: 853-859

  • [雑誌論文] High-LET radiation enhanced apoptosis but not necrosis regardless of p53 status2004

    • 著者名/発表者名
      Takahashi A, et al.
    • 雑誌名

      Int J Radiat Oncol Biol Phys 60

      ページ: 591-597

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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