本研究では、水環境中の内分泌かく乱物質(特に、女性ホルモン様物質)の存在を可視化できる遺伝子導入メダカの開発を行った。内分泌かく乱物質の存在をメダカの体色が緑色に変化する事で可視化するものであり、そのシステムは、1)物質の感知、2)メダカ体内でのシグナル化、3)シグナルの変換、4)シグナルの増幅、5)発色からなる。 これまでに、1)感知、および2)シグナル化に関わるメダカ卵膜タンパク質コリオゲニンH遺伝子(ChgH)発現制御領域に制御されたメダカメラニン凝集ホルモン遺伝子(MCH)を導入したメダカを作出し、シグナルであるMCHの有効性を確信した。また、内因性のMCH遺伝子の影響をなくすためTILLING法によるメダカMCH遺伝子の破壊を始めた。3)変換にかかわるMCHで誘導される遺伝子の探索を行い、候補となる2種の遺伝子を得、解析を始めた。4)増幅に関わる3種の遺伝子導入メダカを作出した。(βアクチン遺伝子プロモーターに制御されたloxP:RFP:loxP:GFP遺伝子、または、loxP:X:loxP:GFP。骨格筋アクチンプロモーターに制御されたloxP:GFP:loxP:RFP遺伝子) また、メダカ個体内でのCre recombinaseの有効性についても検討し、骨格筋および生殖細胞で働きうる事を示した。
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