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2005 年度 実績報告書

窒素安定同位体比を用いた浅海域生態系内における環境化学物質の生物濃縮特性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16310042
研究機関愛媛大学

研究代表者

竹内 一郎  愛媛大学, 農学部, 教授 (30212020)

研究分担者 杉本 敦子  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (50235892)
キーワード環境化学物質 / 生物濃縮特性 / 沿岸域生態系 / 有機塩素化合物 / PCB / DDT / 窒素安定同位体 / 炭素安定同位体
研究概要

本年度は、海洋生物に高い毒性があることが報告されている環境化学物質のうち、PCBsやDDTs等の有機塩素化合物に関する生物濃縮特性を解析した。なかでも、PCBsは、熱に強い、化学的に安定である等の性質から工業的な用途で広く使用されてきたが、カネミ油症事件以降PCBの毒性が社会的に注目され、日本では1972年に製造・販売が全面的に禁止された。しかし、30年以上経過する現在でも沿岸域から検出されている。
本年度の研究では東京湾奥部の運河地帯沿岸からムラサキイガイ等の貝類、ケフサイソガニやマハゼを採取し、冷凍保存後、有機塩素化合物と窒素安定同位体比(δ^<15>N値)の分析に供した。あわせて、ベトナムメコンデルタから採集した植物プランクトン、オニテナガエビ等の甲殻類や魚類等の生物試料も分析した。それらの結果を基に、PCBs等の有機塩素化合物の生物濃縮特性の解析を試みた。なお、従来の研よりδ^<15>N値は栄養段階一段階につき3-5‰増加することが報告されている。
分析の結果、東京湾奥部で採集された全ての生物試料からPCBsが検出された。なかでも、PCB#180等の高塩素異性体はδ^<15>Nとの間に有意な正の相関関係が得られた。また、ベトナムの生物試料からはDDTsやPCBsが検出され、p,p'-DDTやPCB#180、PCB#206等のPCBs高塩素異性体でδ^<15>Nとの間に有意な正の相関が認められた。これらのδ^<15>Nとの間に有意な正の相関があった化学物質の生物濃縮は、一栄養段階あたり4〜8倍になると推定された。以上より、PCBやDDT等の有機塩素化合物は、TPT等の有機スズ化合物よりも高い生物濃縮特性を示す傾向が認められた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Status of butyltin pollution along the coasts of Western Japan in 2001, 11 years after partial restrictions on the usage of tributyltin.2005

    • 著者名/発表者名
      Murai, R., S.Takahashi, S.Tanabe, I.Takeuchi
    • 雑誌名

      Marine Pollution Bulletin 51

      ページ: 940-949

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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