研究課題
基盤研究(B)
これまで、内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンはエストロゲン受容体(ER)、あるいはアンドロゲン受容体(AR)に結合して、ホルモンの紛い物として作用を示すと考えられてきた。しかし、ヒトゲノムプロジェクトによるゲノム解析の完成および遺伝子解析の結果、核内受容体が48種存在することが判明し、これら全てを内分泌撹乱物質の標的と考えることが必須な状況となった。我々は、これまでにERが空(から)のアポ型から、リガンド結合型のポロ型への変化を識別する「受容体コンホメーション変化センシング抗体」の調製に成功し、これを用いた抗体アッセイ法を開発した。本研究では、こうした抗体を分子ツールとし、すべての受容体について共通してアッセイ・評価する、一般的な方法論の確立を目指し、核内受容体の分子構造と活性発現機構を精査した。まず、ERを含むステロイドホルモン受容体:グループIIIの核内受容体9種について検討した。核内受容体の一次構造を「定量的進化トレース法」という新規な解析法を用いて分析し、構造と機能の相関について調べた。こうした解析の過程で、48種のヒト核内受容体には、通常の「リガンド活性化型核内受容体」に加えて、「自発活性化型核内受容体」が存在することが判明し、後者に属するエストロゲン関連受容体γ型(ERR_γ)ビスフェノールAの特異的受容体であることが判明した。ビスフェノールAはこれまでERに結合して内分泌撹乱作用を起こすと考えられていたが、ERR_γに結合することが原因の可能性がある。こうした自発活性化型の核内受容体にも適用できるコンホメーション変化センシング抗体法の開発に成功した。このように、本研究では、自発活性化型核内受容体の発見、ビスフェノールA特異的受容体の発見という大きな成果をもたらした。
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