研究課題
基盤研究(B)
活性汚泥は強磁性粉であるFe_3O_4との親和性が高く、両者を混合するだけで、強固に吸着し、活性汚泥は磁石に引き寄せられるようになる。この活性汚泥を磁化活性汚泥と呼んでいる。磁化活性汚泥は磁気分離でき、高濃度の微生物を曝気槽に保持し、低SS負荷運転を行なうことで余剰汚泥の発生(微生物の見かけ上の増殖)をゼロにすることが可能になる。本研究では、磁化活性汚泥の実用化の可能性を示すため、磁化活性汚泥法による都市下水処理の実証試験を行なった。実証試験には約8m^3の曝気槽、初期沈殿槽、最終沈殿槽から構成される活性汚泥プラントに汚泥の磁気分離装置を組み込んだ磁気分離/沈降分離ハイブリッド磁化活性汚泥プラントを用いた。約50人分の下水に相当する一日16m^3の都市下水を連続500日間処理し、約90%のCOD_<cr>を分解除去することができた。この間、余剰汚泥の引き抜きは必要なかった。余剰汚泥ゼロでの水処理は従来の活性汚泥法では期待できないことであり、本方式の最大の特徴の一つが実証された。さらに、間欠曝気を導入することでアンモニア成分の硝化と脱窒を曝気槽で交互に行なわせ、窒素成分の70%近くを除去することができた。曝気制御だけで簡単に窒素除去できる点は従来法に勝る結果といえる。懸濁状態のマグネタイト粒子やマグネタイトが溶解した場合に発生する鉄イオンの流出は認められず、マグネタイト粒子を曝気槽に閉じ込めたクローズドシステム化が可能であることが示された。実証試験により、有機物に加え、窒素成分の除去も行なえ、余剰汚泥も発生せず、汚泥の管理が不要で、運転上の負担も軽減できることが確かめられた。ベンチスケール実験では、活性汚泥法の適用が困難とされる有機排水であるフェノールやポリビルアルコール、環境ホルモンも余剰汚泥を発生することなく磁化活性汚泥法により分解できることが確かめられた。
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