研究課題
環境調和型化学プロセスの鍵技術である固体酸塩基触媒の合成とその触媒機能を検討した。以下本年度に得られた主の成果を示す。1)高級脂肪酸であるラウリン酸とグリセリンのエステル合成を試み、各種の多価金属塩が高い触媒活性を有することを見出した。特に、塩化鉄、塩化アルミニウム及び塩化ジルコニルは、モノラウリン、硫酸鉄、硫酸ジルコニルは、グリセリン過剰下でも時ラウリンが生成することを明らかにした。2)合成時に希土類を導入したベータゼオライトの固体酸性触媒機能に関し引き続き検討し、イソブタンの1-ブテンによるアルキル化が効率的に進行することを見出した。3)各種12環及び14員環ゼオライトによるアルキル化の検討を行い、形状選択性が、細孔及びアルキル化剤の構造に支配されることを明らかにした。大孔径ゼオライトにおいてもアルキル化剤の嵩高さにより形状選択性の発現することを確認し、ビフェニルのアルキル化機能の総括を行った。4)メソポーラス材料ジルコニア、アルミナを固体酸点とするメソポーラス材料ZrAlSiMMHを創製し、その長鎖カルボン酸ラウリン酸とグリセリンのエステル化を超臨界炭酸ガスを溶媒として行い、従来法の気相窒素雰囲気の反応及び溶媒存在下における液相反応に比べてコーク生成が少ないことが確認された。5)生体反応等において酸化触媒として有効である三価鉄をメソポーラス骨格にゼオライトを組み込んだ鉄含有メソポーラス材料の調製に成功した。本材料は、フェノールの酸化に高い活性を有することが明らかになった。6)ゼオライト触媒の細孔の有効性を向上させるために、ベータゼオライトのナノサイズ化に関する研究を行った。本研究の特長は、ベータゼオライト合成に有効なTEAOHのほかにハロゲン化セチルトリメチルアンモニオウムを共存させることにあり、従来法の1/100に当たる30-50nmのベータゼオライトが効率よく合成できた。また、再現性も確認された。
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