研究課題/領域番号 |
16310058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平出 正孝 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (20111833)
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研究分担者 |
齋藤 徹 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40186945)
松宮 弘明 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (10362287)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 界面活性剤 / アドミセル / フローテーション / 排水浄化 / 環境分析 / 多環式芳香族炭化水素 / クロロフェノール / 重金属元素 |
研究概要 |
排水浄化ならびに環境水評価のための新しい分離・濃縮法として、界面活性剤分子が固体粒子に吸着して生成する吸着ミセル(アドミセル)を利用する方法を系統的に研究した。アドミセルは、その内部に難水溶性物質を捕集することが可能な疎水環境を有している。そこで、その疎水性場をそのまま、あるいは疎水的な機能性試薬で修飾した後に分離媒体として利用し、水中の無機・有機汚染物質を迅速かつ高効率に回収することを検討した。 各種の陰イオン・陽イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤と、アルミナやシリカゲル、架橋デキストランゲル、ポリスチレンビーズなどの固相担体を種々組み合わせ、アドミセルの最適化を行った。その結果、カラム法ならびにバッチ法により、多環式芳香族炭化水素やクロロフェノール等の疎水性有機汚染化合物、また、鉛やカドミウムなどの有害重金属元素(疎水性キレート試薬を併用)を定量的に捕集することができた。さらに、界面活性剤分子の長鎖アルキル基が気-液界面に容易に吸着することを利用して、目的物質を捕集したアドミセルを多数の小気泡と共に液面に浮上させ、迅速に回収することもできた。このフローテーション法では、カラム法やバッチ法に比べて、さらに高効率な分離・濃縮が可能であった。 また、有害汚染物質のみならず、酵素や貴金属等の有価物質の分離回収にもアドミセルは有用であった。一方、固相担体に替わって液相に界面活性剤を組み合わせたw/oエマルションについても、水中の重金属元素の除去を目的として検討を行い、幾つかの有用な分離法を開発することができた。 フローテーションの連続化については当研究室ではすでに実験を行っており、豊富な経験を有している。今後、本研究成果を加え重ねることにより、高度に連続化された排水処理システムが提案できることを期待する。
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