研究課題/領域番号 |
16310066
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松石 清人 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (10202318)
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研究分担者 |
大成 誠之助 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (70015824)
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キーワード | 半導体ナノ構造 / 量子ドット / 高圧物性 / 有機無機複合材料 / 光学特性 / 分光 / 逆ミセル / 相転移 |
研究概要 |
昨年度に構築した温度・圧力可変分光測定システム(光吸収、発光、ラマン散乱)に顕微光学系を導入し、顕微分光を可能とした。また、昨年度に引き続き、有機無機複合型ナノ量子構造物質として、(1)テンプレート法による自己組織化量子構造結晶(特に、量子ドット結晶、量子細線結晶、3次元ペロフスカイト結晶)、(2)逆ミセル法及びホットインジェクション法による数nmサイズの半導体量子ドットCdS、CdSeを作製した。それらの試料で高圧下分光測定と高圧X線回折実験による高圧構造解析を行なった。 (1)では、量子ドット結晶(CH_3NH_3)_4Pbl_6・2H_20の水分子脱離によるPbl_6量子ドットの3次元ネットワーク化をラマン散乱とX線回折によって明らかにし、その活性化エネルギーを求めた。また、高圧X線回折測定によって体積弾性率が10.2GPaと求まり、4.9GPaで構造相転移が起こることを見出した。頂点共有型量子細線結晶[NH_2C(I)=NH_2]_3PbI_5では体積弾性率が14.0GPa、量子細線方向であるa軸の圧力変化に対しb軸方向は2.7倍、c軸方向は3.0倍圧縮されることを明らかにした。結果は面共有型結晶の場合と比較して議論した。これらは、圧力チューニングによる光学特性制御を検討する基礎データとなった。(日本物理学会2007年春季大会で発表。) (2)では、半導体量子ドット配列の準備研究を引き続き行なうと共に、高圧下の発光と構造をサイズの異なるCdS及びCdSc量子ドットで調べた。特に、体積弾性率が量子ドットのサイズ減少に伴ってバルクより小さくなっていくことを見出した。発光の圧力依存性と高圧下の構造変化から変形ポテンシャルのサイズ依存性を検討した。(日本物理学会2006年秋季大会で発表。最新の結果はナノ学会第4回大会で発表予定。)
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