研究課題
基盤研究(B)
有機無機複合型ナノ量子構造物質の光学特性の圧力依存性を調べた。その結果を高圧X線回折実験による高圧構造解析の結果と照らし合わせて、電子状態と構造状態の圧力チューニングによる光学特性の制御を試みた。PbI_6量子ドットが有機分子によって隔てられて規則配列した有機無機複合型量子ドット超格子(CH_3NH_3)_4PbI_6・2H_2Oでは、体積弾性率が10.2 GPaと求まり、4.9 GPaで超格子構造の変化が起こる相転移を見出した。その相転移で励起子に起因した光学特性の圧力依存性も変化した。また、60℃付近での水分子の脱離によるPbI_6量子ドットの3次元連結を観測し、その活性化エネルギーと3次元連結に伴う光学特性の変化を見出した。この量子ドット超格子の圧力下の光学特性では有機分子と量子ドットの相互作用が重要であることがわかった。PbI_6量子ドットの八面体の面を共有して連結したC_5H_<10>NH_2PbI_3と(C_<12>H_<14>N_2)Pb_2I_6、頂点を共有した[NH_2C(I)=NH_2]_3PbI_5の3つの有機無機複合型量子細線超格子において、体積弾性率、圧縮の異方性、励起子に起因する光応答の圧力依存性について興味ある知見を得た。特に、(C_<12>H_<14>N_2)Pb_2I_6では量子細線と有機分子との間の電荷移動遷移確率を圧力によってチューニングできることがわかった。有機無機複合型CdSe量子ドットでは、粒径が2.1nmからbulkまでの間で、CdSe量子ドットの体積弾性率とHOMO-LUMO遷移エネルギーにおける変形ポテンシャルが粒径の逆数に比例して変化することがわかった。発光エネルギーの圧力係数はTOPO配位子試料とHDA配位子試料では異なる傾向を示し、表面配位子の状態が高圧下の電子状態に強く関与することがわかった。また、数十nm周期の溝を持つ基板上に配列させたCdS量子ドットではその光学特性に配列効果が見られた。
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