研究課題/領域番号 |
16310069
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 哲也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10189532)
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研究分担者 |
島田 敏宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10262148)
一杉 太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90372416)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / トンネル電流 / 光重合反応 / フラーレン |
研究概要 |
本研究では、トンネル顕微鏡(STM)による原子スケールでの「位置決め」と光による化学反応を組み合わせ、新規なナノ反応技術を提案する。すなわち、反応の閾値よりも低いエネルギーの光を照射し、足りない分のエネルギーをトンネル電子の運動エネルギーとして補う。これは、いわばトンネル電子によりアシストされた光反応であり、STMの空間分解能を保持しつつ、任意の位置で、様々な光反応を開始させることが可能である。 本年度はまず、ナノスケールで電子状態が異なる超伝導物質を取り上げ、トンネル分光(STS)技術の最適化を図った。続いて、モデル光反応としてフラーレンの光重合を取り上げた。まず、シリコン(111)表面上にフラーレンを蒸着させ、次に、STM探針によりフラーレン分子を確認しつつ、表面上を任意の位置に移動できることを確認した。 次に、フラーレン分子の2量化反応に関し、基礎的なパラメータの取得を行った。フラーレンは、紫外光によって重合することが知られており、STMにより、重合体も直接観測されている。ただし、光重合に必要なエネルギーの閾値に関しては不明であり、またこの値は雰囲気や温度により大きく依存するものと考えられる。そこで、様々なエネルギーの光源を用い、低温・超高真空下における反応の閾値を決定した。 一方で、分子種の同定を行うため、非弾性トンネル電流の検出システムを構築した。非弾性トンネルとは、分子振動の励起を伴うトンネル過程であり、トンネル電流をバイアス電圧で2次微分したスペクトルより、格子振動の周波数を決定することができる。
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