研究課題/領域番号 |
16310072
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小林 健吉郎 静岡大学, 工学部, 教授 (20153603)
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研究分担者 |
前田 康久 静岡大学, 工学部, 助教授 (00159138)
冨田 靖正 静岡大学, 工学部, 助教授 (50303532)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / ナノデバイス / 反応制御 / 光触媒 / 分子認識 / DNA / SAM |
研究概要 |
原子間力顕微鏡のカンチレバーに様々な機能を付加して、化学反応をナノスケールで制御しナノデバイスを作成することを検討した。また、ナノパターンを高速で大量に転写する方法についても検討した。 1、TiO2基板上でのナノ光触媒の開発 TiO2単結晶上に堆積させたステアリン酸膜を真空蒸着法により作成し、正の電圧を印加しながらTiO2-有機薄膜表面に紫外線照射したところ、選択的にその領域の有機物が分解した。このAFM支援光触媒リソグラフの空間分解能は30nm程度と極めて良好であった。 2、高速でナノパターンを光触媒反応で転写するリソグラフを確立するために、極めて平坦な表面を持つ非晶質TiO2薄膜を、原子層堆積法(ALD)によって作成した。この非晶質TiO2の光触媒能をメチレンブルーの分解で評価したところ、全く光触媒能は認められなかった。そこで、TiO2に代わる非晶質酸化物を探索した結果、非晶質SnO2が優れた光触媒能を持つことが明らかになった。 3、固体電解質カンチレバーを用いる銅細線の作成 固体電解質カンチレバーCuIをスパッタ法によりSiカンチレバーの上にコートした。このCuIカンチレバーを用いて、負電圧を印加するとTiO2基板上に銅が堆積した。また、反対に銅薄膜基板に正電圧を印加させたところ20nm程度の線幅を持つ穴が作成した。これにより、数十nmの線幅を持つ金属電極の配線が可能となった。 4、分子認識カンチレバーを構築するため、金コートされたカンチレバー上にアミノチオフェノールの自己組織化膜を作成し、金基板との間の電流-電圧特性を測定した。数十mVの印加状態でもオーミック的な電流が観測され、更に2V以上での電圧では電流注入による過剰な電流が認められた。これに対して、ドデカンチオール自己組織化膜を堆積させたカンチレバーと金基板の間ではオーミック的な電流は観測されず、アミノチオフェノールの伝導度が比較的高いことを立証することができた。
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