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2004 年度 実績報告書

極低温近接場分光法によるナノ構造中の電子波動関数のマッピングと制御

研究課題

研究課題/領域番号 16310075
研究種目

基盤研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

斎木 敏治  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70261196)

研究分担者 野村 晋太郎  筑波大学, 物理学系, 助教授 (90271527)
キーワード近接場光学顕微鏡 / 波動関数 / 量子ドット / 量子井戸 / フォトルミネッセンス
研究概要

1.吸収イメージング分光のための変調分光法の開発
従来の発光イメージングではなく、より直接的な吸収(反射)イメージング分光によるマッピング技術の開発に着手した。単一ドットによるごくわずかな反射光を検出するため、ここでは変調分光法を利用し、高感度化を目指した。プローブ先端を機械的に励振し、ドットからの反射光強度を変調する。さらにプローブテーパー部からの反射光と干渉させ、変調成分のみ選択的に検出することにより、信号光を増強し、高感度に検出する方法を開発した。
2.GaAs量子アイランドの励起状態波動関数のマッピング
GaAs量子井戸に形成された量子アイランド構造に閉じ込められた励起子についてすべての量子化準位の波動関数マッピングをおこなった。本年度は発光イメージング分光法によっておこなった。サイズの大きな量子ドットを見つけ、30nm空間分解能によって励起状態の複雑な波動関数の形状を可視化した。各準位の波動関数形状の系統的な変化から、ドット形状、すなわちポテンシャル形状に関する情報を引き出すことを試みた。
3.GaNAs量子井戸におけるキャリア局在のマッピング
窒素の組成やその混入状態により、その光学特性が大きく変化するGaNAs量子井戸に対して、波動関数マッピング法を適用した。窒素がクラスター状になり、キャリアを強く閉じ込める領域と、混晶状になってキャリアが非局在している領域が混在していることを明瞭に観察した。また、窒素組成に対する依存性についても検討し、クラスター的な混入から混晶への移り変わりのようすを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Near-field photoluminescence imaging spectroscopy of an n-type modulation-doped quantum well with a lateral periodic potential2004

    • 著者名/発表者名
      K.Matsuda, T.Saiki, S.Nomura, Y.Aoyagi
    • 雑誌名

      Nanotechnology 15

      ページ: S345-S348

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Direct optical observation of compositional fluctuation in GaAsN by near-field photoluminescence spectroscopy and microscopy with high spatial resolution2004

    • 著者名/発表者名
      K.Matsuda, T.Saiki, T.Yamada, T.Ishizuka
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters 85

      ページ: 3007

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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