研究課題
基盤研究(B)
DNAマイクロアレイは遺伝子解析にとって大変重要な基盤技術である。多量解析のためにはDNAアレイの高度集積化が急務であるが、DNAスポットの間隔を20μm以下にすることは現在の光リソグラフィーによる合成型やスポッターを用いた貼り付け型の技術では困難である。従来のトップダウン法によるDNAマイクロアレイ作製技術に代わり、DNAの塩基対形成による分子認識による100nm間隔のDNA配列技術の開発を目指す。具体的には遺伝子の検出方法として知られているFISH法(Fluorescence In-Situ Hybridization)を使うことで伸長固定化した単一DNA分子でプローブDNAのナノアレイ化を行い、さらにそれらナノアレイを並べて階層化することで高度集積化を図り、従来の1000分の1の大きさのDNAチップの作製を目標とする。特定の間隔のDNA配列技術の開発のモデル実験として、40塩基の20塩基ずつが相補的な2種類の40塩基オリゴマーからなるHalf-sliding DNAの多重会合体形成について検討した。AFMによる観察と環状DNA以外のDNAを加水分解するexonucleaseVによる酵素反応の結果から、TE中で形成されたDNA多重会合体は直鎖状構造であるのに対し、金属イオン下で形成されたものは環状構造であることがわかった。直鎖状のDNA多重会合体は剛直なロッド構造のため多重会合体の分子内会合が起こらないのに対し、多重会合体形成時に金属イオンが存在するとHalf-sliding DNAユニットの一本鎖部分が金属イオンによって柔軟になり環状DNAを形成しやすくなったと考えられる。以上から、多重会合体の形成においては金属イオンの有無が直鎖状と環状の形成を決めていることがわかった。
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