研究分担者 |
佐久間 昭正 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (30361124)
山上 浩志 京都産業大学, 理学部, 教授 (20239867)
中村 浩次 三重大学, 大学院工学研究科, 助教授 (70281847)
小田 竜樹 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (30272941)
小野 寛太 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (70282572)
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研究概要 |
電子のもつ量子的な性質を利用した新機能デバイスの実用化に資するため,ナノメートル領域にまで微細化された磁気材料・デバイスの特性評価に必要とされる理論的基盤を構築することを目的として,以下の研究成果を得た. 1.エピタキシャル磁気トンネル接合ならびに磁性不純物を含む金属ナノワイヤーにおける原子構造とスピン依存電気伝導の相関を明らかにした.(白井・長尾・三浦) 2.不規則系におけるスピン構造を第一原理計算するため,ノンコリニア・スピン構造第一原理計算コードを,コヒーレントポテンシャル近似により原子(スピン)配列不規則性を考慮できる形式に拡張し,Mn系不規則合金の電子構造と磁気構造を調べた.(佐久間) 3.スパイラル磁気構造を正しく記述することが可能なディラック方程式に基づいた相対論的電子状態計算手法を定式化した.(山上) 4.交換バイアスの理解に不可欠な強磁性体/反強磁性体界面の磁気構造の理論解析を行った.また,Fe(110)単層薄膜モデルを用いて磁壁構造の理論的解析を行った結果,約0.8nmの幅をもつ磁壁構造が安定であることを理論的に示した.(中村) 5.ノンコリニア磁性を取扱える第一原理分子動力学法を開発し,液体酸素における磁気構造をシミュレーションすることにより,反強磁性的に結合した二量体化酸素分子(O_4ユニット)の形成過程におけるスピンのダイナミクスを明らかにした.(小田) 6.放射光電子顕微鏡を用いて微細加工された磁性体の磁気渦状態を観測し,磁性体の形状と磁気渦状態との相関をマイクロ磁気シミュレーションにより解析した,また,放射光を用いて磁気渦のダイナミクスを観測する手法の開発を行った.(小野)
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