研究概要 |
窒化ガリウム(GaN)系半導体を用い水を光分解し効率よく水素を発生させるための条件として、1、半導体の伝導帯端が水の分解電位よりも高エネルギー側にある。2、半導体表面上の水分解の反応サイトが高密度である。などの条件が要求される。条件1に関して、可視光による水分解を目指すため、表面が平坦なInGaN量子井戸構造を用い、InGaN伝導帯端のエネルギー位置の評価を試みた。手法は電解液中のフォトルミネッセンスの電界効果を測定し、電界で移動する擬フェルミレベルが量子井戸準位を横切るときにフォトルミネッセンス強度が最大になると考えた。その結果、In組成17%のInGaNの伝導帯は水の分解電位よりも約0.26eV高い位置にあり、可視光励起で水分解が可能であることが示された。条件2に関連して、ゾルゲル法によりp-InGaN表面にナノ構造のTi02を堆積し、TiO2結晶構造評価、Ti02/p-InGaNヘテロ構造の電解液中の光応答特性の評価を行った。 以上の結果を下記の講演会、国際会議で報告した。 平成18年度春季応用物理学会(3月23日武蔵工業大学) 鳴海他"GaN/電解液系の光電流特性"23p-ZR-2 森田他"フォトルミネッセンス電界効果によるInGaN/GaN量子井戸のフラットバンドポテンシャル"23p-ZR-1 13^<th>Int.Conf.on Metal 0rganic Vapor Phase Epitaxy(May22-26,2006 Miyazaki Japan) N.Kobayashi et al."Flat-Band Potentials of GaN and InGaN/GaN QWs by Bias Dependent Photoluminescence in Electrolyte Solution"We-P.81 平成18年度秋季応用物理学会(9月1日立命館大学くさつキャンパス) 高木他"水の光分解による水素発生に伴うp-GaNカソードのPL変化"la-P15-41 武田他"n-InGaN/GaN多重量子井戸の電解液中におけるPLバイアス依存性"1a-P15-42 鳴海他"p-lnGaN/電解液系の可視応答光電流特性"1a-P15-43 徳江他"ゾルゲル法で作製したTi02/p-InGaNヘテロ構造の電解液中光電流スペクトル"1a-P15-44
|