研究課題/領域番号 |
16310093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
DMITRI GOLBERG 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, アソシエートディレクター (80354405)
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研究分担者 |
板東 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, フェロー (10344433)
三留 正則 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (50354410)
タン チェンチュン 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (10370298)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | ナノチューブ / 金属 / 無機化合物 / 電子顕微鏡 / CVD / 封入 / ナノワイヤー |
研究概要 |
カーボンナノチューブの中に、Fe-Co強磁性合金、Fe-Niアンバーおよびパーマロイ、Fe、Co、Ni純金属を封入した。Fe-Coナノワイヤーはバルクに比べて保磁力が増大した。Fe-Ni合金で顕著な組成変調が観察され、通常と異なる長周期構造が見られた。Gaをカーボンナノチューブに入れ、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定したところ、空のナノチューブでは電気抵抗が単位長さあたり25kOm/mkmであったのに対し、Gaを封入した部分では0.35kOm/mkmと、ほぼ金属的な振る舞いを示した。この現象は、ナノチューブを用いた温度計から電気的に温度を読み取る唯一の方法に可能性を開くものである。本研究は、カーボンやBNのナノチューブへ封入する対象を、MgO、Mg_2O、SiC、Ga_2O_3など、いろいろな無機物へ拡張しつつある。過酸化物MgO_2を入れたBNナノチューブを、電子顕微鏡の中で加熱すると、不安定相のMgO_2はMgOへ転移し、ナノチューブから酸素が放出された。これは、ナノスケールの酸素発生器として応用が可能である。100%純粋なBNナノチューブの高効率合成(1g/日)に、世界で初めて成功した。BNチューブで絶縁したSiC製半導体ナノケーブルは、電界効果トランジスタとしての機能を持っていることがAFM測定からわかった。合成されたBNナノチューブを高機能化し、ナノレベルの化合物ポリマー薄膜を合成する方法を始めて発見した。化合物ポリマー薄膜は、BNナノチューブに挿入されなかった場合と同様の、優れた熱的、および機械的特性を示すことを明らかにした。いろいろな金属およびセラミックスを封入したBN、CおよびSiO2ナノチューブを作製することに成功した。これらナノチューブの物性について、評価を行ったところ、フッ素をドープすることにより、BNナノチューブのバンドギャップを変えることに成功した。また、Gaを封入したCナノチューブ温度計の電気特性を、2端子法により評価し、その結果、このナノチューブを用いてナノスイッチができることを示した。Feを基本とした未知の大きな単位格子を持つ結晶が、閉じこめ効果によりCナノチューブの中に形成されることを発見した。
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