研究課題/領域番号 |
16310095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
市村 禎二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50016169)
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研究分担者 |
鈴木 正 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30251606)
松下 慶寿 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80240753)
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キーワード | マイクロリアクター / 光不斉合成 / 光触媒反応 / 二酸化チタン / レーザー / 発光ダイオード |
研究概要 |
1 増感剤を不斉源とする光不斉合成 励起光源にKrFエキシマーレーザー(波長248nm)を用い、マイクロリアクター(MR)中で、(Z)-cycloocteneから(E)-cycloocteneが生成する光増感エナンチオ区別異生化反応(増感剤;ジアセトンフルクトースピロメリツト酸エステル)を行った。(E)-cycloocteneの反応収率とエナンチオマー過剰率(ee)を分析したところ、レーザー強度、流速等を適切に制御すれば、反応はバッチに比べてMR中では非常に速く起こることが判った。eeは非常に短い滞留時間内にほぼ定常状態になり、転化率は滞留時間が長いほど増加する傾向を示した。eeはバッチでの約十分後の値と同様であったが、反応収率はバッチに比べ、同等か高い値になった。XeClエキシマーレーザー(波長308nm)を励起光源として用いると、eeが向上することが明らかになった。 2 光触媒反応による有害化学物質の分解 二酸化チタン膜を流路内に焼成させたMRを用い、環境ホルモン類のモデル化合物としてm-ChlorophenolとBisphenol Aを用いてその光分解に応用した。励起光源にはXeClエキシマーレーザー、または紫外発光ダイオード(UV-LED)を用いた。その結果、バッチでは数十分単位で起きる分解反応が、MRでは数秒から数十秒のオーダーで進行していることが判った。次に、励起光源ごとに光触媒反応の効率(Photonic Efficiency,ξ=(反応分子数)/(入射光子数))の評価を行ったところ、尖頭出力の大きいエキシマーレーザーを用いた場合は、反応効率(ξ)は非常に低いことが判った。一方、UV-LEDでは、反応効率、装置全体の小型化、フォトンコスト等を勘案すれば、MRを用いた光反応システム構築のために極めて有用であることが明らかとなった。
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