研究分担者 |
大和 毅彦 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90246778)
肥田野 登 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90111658)
樋口 洋一郎 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60198992)
山室 恭子 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (00158239)
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研究概要 |
本年度の研究においては,社会的ジレンマの回避について,ゲーム理論,実験経済学,主体の持つ効用の変化,計量分析,歴史資料の分析,とそれぞれ役割分担をして研究を進めた。 ゲーム理論的分析は,新技術のパテントライセンシングにおける情報流通のジレンマの問題の協力ゲーム,非協力ゲーム双方からの分析とその比較,およびそのファジーゲームによる分析を行った。実験を用いた分析としては,公共財供給の際のジレンマの問題について,ジレンマ回避の制度設計の基礎となる実験を行い,制度のあるべき姿についての洞察を得た。主体の持つ効用の変化については,主体間の提携形成における各種のジレンマについて,ゲーム理論的考えを取り入れながら,効用の変化がどのような条件を満たせば主体間の提携が形成されるかを明らかにした。計量分析においては,地域間の人口移動のジレンマについて,各種統計データの計量的分析を進めた。歴史資料の分析においては,人間の意思伝達におけるジレンマの問題に対し特に文献のデータに基づく解析を試みた。それぞれの研究成果は,研究発表の項にある通りである。 ゲーム理論的観点からの社会的ジレンマを中心とするジレンマ問題へのアプローチを進めているアジア,オセアニアの研究者を中心に11月20日-22日の3日間,筑波大学において国際会議を開催した。日本を中心に台湾,韓国,オーストラリアから研究者が集まりジレンマ問題に対し実り多い議論が行われた。また,1月7日から24日には,海外共同研究者であるティルバーグ大学(オランダ)のStef TIJS教授を招聘し,特にゲーム理論の立場からジレンマ回避のための共同研究を行った。
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