研究課題/領域番号 |
16310108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
渕野 哲郎 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (30219076)
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研究分担者 |
青山 敦 立命館大学, 大学院独立研究科, 教授 (10322091)
バトレス ラファエル 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10155161)
島田 行恭 労働安全衛生総合研究所, 主任研究員 (10253006)
武田 和宏 静岡大学, 工学部, 助教授 (60274502)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 化学プラント安全管理 / ライフサイクル / プロセスハザード解析 / 独立防御階層 / 異常伝播 |
研究概要 |
安全が社会要件となりつつある今日、事故は、競争力のみならず、持続的発展に大きく影響を及ぼすことから、プロセスハザード解析は、益々その重要度を増しているといえる。しかし、多くの事故調査報告書は、過去の事故の繰り返しや、プロセスハザード解析の不充分さを指摘しており、網羅性を確保するためには、事故事例を含め、ハザード情報をプラントやプロセスを越えて、交換し合うための仕組み、プロセスハザード解析結果と独立防御階層設計とを、明示的に整合させるための仕組みの構築する必要がある。 事故事例及びプロセスハザード解析結果を、交換可能な知識として表現するために、本研究では、機器クラスごとにプロセス状態変数の伝播論理を持たせ、プロセス構造情報と状態変数伝播論理を独立させた。プロセス構造情報に現れる機器インスタンスをクラス分けし、クラスレベルでプロセス構造情報とプロセス状態変数伝播論理をリンクするようにしたことで、プロセス構造情報の種類やレベル(PFD、AFP-P&ID、AFC-P&IDなど)に関係なくプロセス状態変数伝播論理をプラント間で交換することが可能となった。また、過去に起きた事故事例情報を、プロセス状態変数伝播論理として蓄えると、事故を起こしたプラントの事例情報を、プロセス構造情報の異なる他のプラントと交換することが出来ることを見出しており、これにより事故事例の知識化、伝承の可能性を広げたと考えられる。 また、プロセスハザード解析の結果を、独立防御階層設計との明示的なリンクを可能とするための、プロセス状態変数の伝播論理、リスク評価モデルの充実を行うとともに、ライフサイクル全体での安全管理を目的として、全ての潜在危険性に対して整合性の取れた対策案を立案するための仕組みについて検討を行った。独立防御階層設計のアクティビティモデル構築し、プロセスハザード解析(HAZOP)と独立防御設計の関係を明確にした。通常HAZOPにおいては、潜在危険導出、評価、その対策を、各初期事象に対して検討してゆくが、HAZOPと独立防御階層設計を明示的にリンクするためには、HAZOPの潜在危険の導出・評価の部分と、対策立案を明示的に分離することが必要不可欠であることを見出している。
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