研究分担者 |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
寺田 賢二郎 東北大学, 工学研究科, 助教授 (40282678)
柄谷 友香 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (80335223)
小野 祐輔 京都大学, 工学研究科, 助手 (00346082)
古川 愛子 九州大学, 工学研究院, 助手 (00380585)
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研究概要 |
本研究では,「大都市域の震災シミュレーションに基づく地震リスク低減戦略の策定に関する研究」という課題の下に,「大地震が起きたときに何が起きうるのか」について信頼できる情報を提供しうるシステムを構築し,これを基に地震リスクの低減戦略を策定することを目的とした.以下に本研究で行ったこと及び得られた成果を列挙する。 (1)マルチエージェントを使った避難行動推定シミュレーションの高度化を第一の目標とし,複雑な大型地下駅にも適用できるよう避難経路モデル自動構築モデュールの改良を行った. (2)CAEの考え方に倣って,地震時の建物挙動に関する高精度な地震の数値シミュレーションを実施して,家屋の耐震補強の意志決定や防災意識向上を意図した可視化の効果を提示した. (3)都市インフラの震動シミュレーション例として,SPH法を用いた土構造物の崩壊解析を行い,様々なインフラ構造物への応用が可能であることを示した. (4)木造軸組建物の地震による倒壊と,それに伴う人的被害発生のメカニズムを解明するための一連の手法を開発した. (5)住宅性能に関する情報の非対称性が及ぼす影響について分析し,この問題を解決しうる性能照査型契約の役割に関して理論的検討を行った. (6)被災地の復興状況を統計データから把握するために整備すべき復興指標の概念と,その算定に必要な統計データベース構築の必要性について整理するとともに,従来提案されてきたRIが有する問題点を指摘した上で復興チャートを提案した.
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