研究分担者 |
赤川 敏 北海道大学, 大学院工学研究科, 特任教授 (90360932)
石川 達也 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60359479)
横浜 勝司 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (50299731)
川村 志麻 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (90258707)
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研究概要 |
1.破砕性地盤材料の凍結融解現象と静的力学特性に及ぼす影響の解明 (1)凍結融解履歴を受けると,その構成粒子の破砕性は顕著となり,そのことを反映して火山灰土の変形性や強度は低下する。 (2)凍結融解履歴が粒子破砕性に及ぼす影響は定圧密レベルで顕著となり,ある圧力以上ではその影響は消失する。このことは斜面の表層部において地盤構成材料の力学的劣化がもたらされやすい傾向があることを示唆している。 2.凍結融解履歴による破砕性地盤材料の動的変形・強度特性の変化とその評価法 (1)動的せん断弾性係数は凍結融解履歴によって確実に変化し,その履歴回数の増加とともに最大10%程低下することが示された。一方,履歴減衰比は凍結融解の影響をほとんど受けない。 (2)液状化強度については,凍結融解により最大20%程度の低下が認められる。これらの動的力学特性に及ぼす影響の違いは,構成粒子の硬度によるものであるが,凍結融解履歴による堆積構造の変化の貢献が大きいのではないかと考察されている。 3.降雨による破砕性帯水斜面の崩壊機構とその解析 (1)斜面崩壊に関わる降雨の影響は発生間隙水圧と飽和度(土壌水分)で評価可能であるが,その中で,飽和度の適切な評価は崩壊パターンや時期を推定する上で重要であることが示された。 (2)斜面内の不透水層の位置と形状は斜面安定性に決定的な影響を及ぼす。 4.破砕性帯水斜面の崩壊因子とその相互関係に関する数値解析 (1)間隙水の凍結で生じる凍結圧を考慮するために導入した熱膨張球要素に基づく解析は,凍結融解作用によりもたらされる地盤の間隙比あるいは粒子構造が変化する事実を定性的に説明することができる。 (2)火山灰地盤の斜面崩壊挙動を推定するための不連続体解析手法は、降雨浸透による地盤の不均質性やダイレイタンシー挙動が適切に評価できれば、有用な評価法となる。
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