研究課題/領域番号 |
16310122
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
尾関 俊浩 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (20301947)
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研究分担者 |
能條 歩 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (20311524)
巨瀬 勝美 筑波大学, 物理工学系, 教授 (60186690)
佐久間 淳 東京農工大学, 工学部・機械システム工学科, 助教授 (60274180)
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キーワード | 核磁気共鳴 / 海水飛沫着氷 / ブライン / 3次元構造 / 可視化 / 排水路 / MRI / 船体着氷 |
研究概要 |
本研究では、低温環境で使用できる核磁気共鳴映像装置を開発し、海水飛沫着氷内のブライン排水路を可視化することが目的である。本年度は3年計画の1年目に当たり、主に以下の5つの研究活動を行った。 (1)従来のNMRI装置に空冷装置を組み合わせたシステムを用いて平成16年冬季に採取した海水飛沫着氷のブライン構造の可視化と3次元画像から情報の抽出を行った。さらに氷、ブライン、ドデカン、気泡による磁化率の違いがMRIの空間誤差に与える影響を検討し、これらの結果を国際会議で発表した。 (2)平成16年2月に北海道で発生した着氷現象について広域調査を行い、さらに気象データから雨氷の発達した地域を推定する手法を開発した。解析の結果は国内の学会において発表した。 (3)厳冬期に石狩市から稚内市にかけての北海道日本海に面した港湾設備において、海水飛沫着氷の実態調査を行った。その結果1月中旬、2月中旬、2月下旬に防波堤灯台に発達した海水飛沫着氷のサンプルを取得した。サンプルは車載型冷凍庫により採取時の温度環境を極力変えずに当該研究機関の低温室に運搬し、密度、塩分濃度等を測定するとともに本年度の可視化実験に用いる試料とした。さらに海水飛沫着氷の薄片試料を作成し、着氷の2次元構造とMRI3次元イメージとの比較に資するデータを作成した。 (4)永久磁石を静磁場として用いたポータブルMRIを低温環境下で稼働させるため、予備実験を行った。低温下で効率よく温度を制御するため、冷却用ブラインを用いた液冷式の冷却チャンバーを開発し、常温室内で可視化を行った。 (5)(3)により作成した防波堤灯台の海水飛沫着氷サンプルと、(4)により作成した液冷式低温チャンバーを用いて、共同研究者である巨瀬の核磁気共鳴装置により可視化実験を行った。本実験のデータは来年度に解析を行う予定である。
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