研究課題/領域番号 |
16310123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
羽二生 博之 北見工業大学, 工学部, 教授 (70172955)
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研究分担者 |
熊耳 浩 北見工業大学, 工学部, 助教授 (40205167)
鈴木 聡一郎 北見工業大学, 工学部, 助教授 (30250541)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 知床峠 / 世界遺産 / 除雪 / バーチャルビジョン / RTK-GPS / 電子コンパス / 災害防止 / 除雪重機 |
研究概要 |
世界遺産知床峠の春の除雪において、積雪7mを越える除雪箇所を安全に重機で除雪できるよう、高精度なRTK-GPSシステムを用いた3次元バーチャルビジョンシステムの開発を行った。平成16年度はプロトタイプを完成させ、降雪前にRTK-GPSを用いて取得した峠周辺道路の位置データを用いて、平成17年4月の知床峠除雪現場で実証試験を行った。位置データが1平方メートル当たり概ね1点の密度区間では、精度良くバーチャル画面上に現在位置が表示されたが、データ密度の粗い区間では問題が生じた。平成17年度はバーチャルビジョンシステムの三次元画像の質とシステムの使い勝手の改良を行い、峠周辺道路の位置データを細かく取り直し、降雪前にバーチャルビジョンシステムの実地試験を行い、約1Kmの実証試験区間で良好な結果が得られた。ただし、トランシーバによる固定点GPSでの位置情報誤差の送信では、道路が曲がって山の陰に隠れた地点で問題が生じた。大学のある北見市では携帯端末にてGPS固定点位置情報誤差の取得環境が整備されており、トランシーバ通信の問題点を解決している。しかしながら、知床峠は携帯端末が利用できず、固定点位置情報誤差の通信が今後の課題である。これまで現地では大型パワーショベルの旋回への追従性も検証しているが、方位センサーである電子コンパスが重機本体金属塊の影響を受けて若干の誤差を生じている。今後は、重機にGPSを2台搭載し、方位や重機の傾きも正確に検出できるシステムの開発が望ましい。平成18年4月初旬にはシステムを知床峠除雪現場に持ち込んで実証試験を行い、雪の下に隠れた道路を精度良く表示することができ、実用化の目処が十分立った。今後は、GPSシステムの起動をスイッチ一つで可能にし、GPSに不慣れな現場重機操縦者にも簡単に扱える工夫がシステムの普及には重要である。
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