研究分担者 |
今岡 照喜 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30193668)
古本 宗充 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (80109264)
田中 和広 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80335760)
福地 龍郎 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90212183)
宮田 雄一郎 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60253134)
ISHIDA Tsuyoshi Kyoto Univ., Graduate School of Engineering, Prof. (10232307)
SHINJI Masato Yamaguchi Univ., Graduate School of Science and Engineering, Assoc. Prof. (40335766)
TODA Shinji Advanced Indual Scie and Tech, Active Fault Res. Center, Chief Researcher (80313047)
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研究概要 |
中国地方西部に発達するNE-SW方向の大原湖-弥畝山西断層系(全長105km)は、複数の断層から構成される複合断層系であり、その一部は活断層であることが確認されている.さらに、この断層系に沿って地震活動が活発な山口-出雲地震帯が発達する.さらにこの断層系に沿った地域には、県庁所在地の山口市(人口約14万人)を抱く山口盆地で代表される大小様々な山間盆地が存在し、そこに人口が集中している.これら山間盆地は断層系の屈曲部に位置しており、断層運動が盆地の形成メカニズムと密接に関わっていることが推測される.断層運動の影響を受け、断層に囲まれた地盤を、ここでは"断層地盤"と定義する. 本研究では、内陸地震による地盤災害を軽減するための基礎資料を得る目的で、断層地盤の地震被害ゾーニング手法の確立を目指して、大原湖-弥畝山西断層系を事例研究の対象として選定した.研究内容と結果は以下の通りである. 1.すべての構成断層を対象として、複合断層系の平面形態を明らかにした.さらに、断層岩とプロセスゾーンの微視的な観察結果を組み合わせ、断層系を構成する個々の断層での歪分配を明らかにした. 2.断層岩とプロセスゾーンについて、露頭および岩石試料での弾性波速度(VpとVs)をそれぞれ測定し、その地震物性を明らかにした.地震物性と断層岩の微細構造に基づいて、断層地盤の分類基準を作成した.その分類基準を用いて、断層系に沿った地域の詳細な断層地盤分類図を作成した. 3.地域地質情報と地球物理学的なデータと1の結果と組み合わせ,複合断層系の3次元形態を復元した. 4.二次元有限要素法を用いて、復元された断層系の運動をシミュレーションし、地震危険度を評価した. 5.構成断層の歪分配と断層地盤の分類基準に基づき,断層系に沿った地域の地盤ゾーニングを行うことにより,断層地盤の地震被害予測を行う基礎資料を得た.
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