研究分担者 |
飛田 善雄 東北学院大学, 工学部, 教授 (40124606)
吉田 望 東北学院大学, 工学部, 教授 (50405891)
山口 晶 東北学院大学, 工学部, 助教授 (30337191)
小林 義和 日本大学, 理工学部, 助教授 (20339253)
プリード ネルソン 防災科学技術研究所, 防災システム研究センター, 研究員 (90333343)
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研究概要 |
(1)地盤材料の脆性挙動の合理的な構成モデルの構築を目指して,引張亀裂の発達に伴う異方的弾性定数の変化や履歴が亀裂の再発生や応力・ひずみ挙動に与える影響などについて検討を行った.その結果,下記の事項が明らかとなった. ・Ortizモデルを繰り返し荷重に適用する場合には,改良すべき点があり,脆性・延性の遷移挙動についての実験データの蓄積が構成モデルの開発に不可欠である. ・中空ねじりせん断試験機による試験の場合,ひずみ振幅が同じ場合,両振りの方が亀裂の発生が多い. ・亀裂面積とせん断剛性には相関があり,その関係は,ひずみ振幅やせん断条件(片振りや両振りの違い)に左右されない. ・引張亀裂は,強度・変形特性に大きな影響を与える. (2)一軸割裂試験により,カオリン粘土について,載荷速度を変えた割裂試験を行うことにより,載荷速度依存性と引張り強度の関係を調べた結果,載荷速度が早いと引張り強度が大きくなり,遅いと弱くなるという載荷速度依存性が見られた.また,その原因として,サクションの影響が考えられることを示した. (3)大変形を伴うような液状化地盤上の河川堤防に対して,2次元流動解析を実施し,継続時間の長い海溝型の巨大地震に対しては,現行の評価手法では耐震性を過大評価する可能性があり,累積損傷度理論に基づく耐震性評価が必要であることを示した. (4)広域に分布する土構造物の被害想定において,震源断層モデルと表層地盤の地震動増幅特性を利用することで,構造物被害の精度良い推定が可能であることを示した. (5)引っ張り破壊を伴う土構造物の大変形解析のために,粒子法の一つであるMPSによる地盤の変形解析法を開発し,解析の結果,液状化を伴う模型モデルに対して定性的に変形を再現できることが分かった.
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