平成16年度はメダカ遺伝子地図のマーカー数を増やすことによってさらに、高密度化をおこなった。またルソンメダカ及びハブシ/ジャワ種間雑種からゲノムDNAの抽出をおこないフォスミドライブラリーを作成した。ルソンメダカフォスミドライブラリーでは48クローンに関してその両端配列を決定し、メダカゲノム配列との相同性検索をおこなっている。これによりメダカゲノム配列上にルソンメダカゲノム配列がどの程度配置できるかについての基礎的なデータを得ることが出来ると考えている。マッピングによる比較ゲノム解析としてルソンメダカ、ハイナンメダカ、メコンメダカ、ハブシメダカの性決定様式とメダカでの相同領域を決定することが出来た。ハイナンメダカではXX-XY型の性決定様式を持つとともにその性染色体はメダカと同じLG1であった。ルソンメダカではXX-XY型の性決定様式を持ちながらその性染色体はLG1ではなくメダカのLG12に相同であるこが明らかとなった。メコンメダカはXX-XY型の性決定様式であり、その性染色体はメダカLG2に相当することが分かってきた。一方ハブシメダカはZZ-ZW型の性決定様式示しさらに、雌性を決定する染色体がメダカのLG5に相当することが分かってきた。このようにメダカ属魚類は近縁種にもかかわらず、極めてダイナミックに性決定様式と性染色体を変化させるという姿が明らかとなってきた。今後は遺伝子マップレベルでの比較だけではなく、ゲノム配列レベルでの比較ゲノム解析も重要であると考えている。
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