研究課題/領域番号 |
16310140
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
音井 威重 山口大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (30311814)
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研究分担者 |
山本 芳実 山口大学, 農学部, 教授 (40115514)
須藤 鎮世 就実大学, 薬学部, 教授 (80368696)
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キーワード | 牛海綿状脳症 / プリオン遺伝子 / RNA干渉作用 / プリオン蛋白 / siRNA / クローン動勅 |
研究概要 |
RNA干渉(RNAi)作用は多くの真核生物に備わった生体機構で、遺伝子発現を翻訳レベルで制御する技術として利用されている。そこでBSEに感染しないウシの生産を目的としてRNAiによるウシプリオン遺伝子の鎮静化を試みた。研究4年度目は、siRNAベクターを導入したクローン胚から作出した子牛の脳における遺伝子発現およびプリオン蛋白量について再検討した。 ヒトU6およびtRNAプロモーターを利用した4つのsiRNA発現ベクターを構築し、6つの標的部位を選び、19merから29merの長さのsiRNAを発現させた。モデル標的として、ホタルルシフェラーゼ遺伝子にプリオン遺伝子を連結したベクターを構築し、活性の高い3つsiRNA発現系を選び、EGFP発現ベクターに組込んだ後、ヴシ初代培養細胞に遺伝子導入した。培養細胞を核として体細胞核移植(SCNT)により胚を作出、移植後、1頭の生誕仔が得られ14日目に安楽死させた。この脳におけるプリオン遺伝子のmRNAを定量したところ、対照の38%まで減少していた。しかし、ウエスタンブロットによるプリオンタンパク質(PrP^C)の測定では対照の約90%のレベルであった。 これまでの結果から、プリオン遺伝子のmRNAの産生は明らかに低下することが確認されたが、顕著なPrP^C産生量の低下が認められなかった。その原因として、(1)標的となる配列が至適でなかった(2)使用したベクターあるいはベクターの構築が至適でなくsiRNAの発現が不十分であった(3)導入された染色体上の位置が悪く、siRNAの発現が不十分であった(4)発生過程で、挿入した遺伝子がメチル化されたなどの原因が考えられた。
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