研究課題
受容体あるいは結合タンパク質など、インビボでの医薬標的分子を決定するためには、最適な細胞株を選択して培養し、決定しなければならない。それは受容体を標的に設計・探索した場合でも、真の選択性を立証するためには絶対欠かせない要件であるが、多くの困難が伴うことはほとんどの研究者が経験してきたことである。ファージディスプレイは、リガンド(医薬候補化合物)に結合するペプチドをファージの外殻コートタンパク質に提示させ、そのアミノ酸配列をDNA配列から読み取る方法であり、標的分子をインビトロで決定できる可能性を持っている。本研究では、抗癌剤カンプトテシンを有機化学反応でビオチン誘導体とし、T7ファージに提示された結合アミノ酸配列を解析した。その結果、NSSQSARRを結合配列として得ることに成功し、表面プラズモン共鳴(SPR)およびクオーツマイクロバランス振動法(QCM)で結合定数(KD)0.1micro Mを得た。この配列は、プロスタグランディンE2(PGE2)の7回膜貫通型G-タンパク質受容体EP1の細胞内第3ループ(228A-294E)と相同性を示した。そこで、大腸菌に組替えて発現したドメイン(228A-294E)と、カンプトテシンの結合定数(KD)を解析し、0.01micro Mを得た。これまで言われてきたカンプトテシンによるDNA topoisomerase Iの阻害濃度は1mili M程度なので、ここにカンプトテシンの新たな受容体を決定することに成功した。このように、小分子リガンドを使用するT7ファージディスプレイ法には、これらの結果から結合アミノ酸配列を決定する方法として十分な可能性を示しているが、さらに信頼性の向上と偽陽性の排除が求められる。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (21件)
Cancer Res. 66・4
ページ: 2287-2295
Genes Cells. 11・3
ページ: 223-235
Comb Chem High Throughput Screen 9・1
ページ: 55-61
Arch Biochem Biopnys. 446・1
ページ: 69-76
Colloids Surf B Biointerfaces. 46・3
ページ: 175-181
Curr Med Chem Anticancer Agents 5・6
ページ: 613-625
Biochem Biopnys Res Commun. 337・4
ページ: 1288-1295
Bioorg Med Chem Lett. 15・21
ページ: 4846-4849
FEBS J. 272・17
ページ: 4850-4853
Biochim Biophys Acta. 1725・3
Biochem Biophys Res Commun. 333・1
ページ: 101-109
Life Sci. 77.17
ページ: 2127-2140
Int J Pharm. 298・1
ページ: 13-25
Cell Immuno 232・1-2
ページ: 105-115
Biochem Pharmacol. 70・1
ページ: 37-46
FEBS J. 272・9
ページ: 2132-2140
Transplant Proc. 37・1
Int J Mol Med. 15・5
ページ: 785-793
Bioconjug Chem. 16・1
ページ: 97-104
Chem Phys Lipids. 133・2
ページ: 203-214