研究課題/領域番号 |
16310157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
杉浦 直人 熊本大学, 理学部, 助教授 (50304986)
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研究分担者 |
幸田 泰則 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20002355)
高橋 英樹 北海道大学, 総合博物館, 教授 (70142700)
河原 孝行 森林総合研究所, 北海道支所, 森林育成研究グループ長 (70353654)
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キーワード | レブンアツモリソウ / 共生発芽 / 結果率 / 種子数 / マルハナバチ / 送粉 / 遺伝マーカー / カラフトアツモリソウ |
研究概要 |
自生地から、レブンアツモリソウの根を採取し、そこから3種のリゾクトニア属菌を単離した。レブンアツモリソウの完熟種子を用いこれらの菌の共生発芽能を調べたところ、1種(WO-97株)に弱い共生発芽能が認められた。種子を低温処理した直後にWO-97を接種した場合、共生発芽は著しく促進され、発芽率は最大で30%に達した。 船泊地域と礼文滝南東地域の2個体群の花サイズ計測、結果の有無確認を行なった。2004年は例年に比べて高い結果率となった。船泊地域個体群の中の3つの局所個体群の間での結果率の違いは、年が違っても維持されていた。種子数と花粉粒数との計測をおこなった。稔実種子数は果実により大きく異なっていた。 送粉昆虫ニセハイイロマルハナバチの訪花事例を計11得た。船泊と同様に、鉄府個体群においても、高い結果率が得られた。過去の調査結果も考え合わせると、結果率にみられる年次変動は送粉昆虫の発生量の変動に大きく支配されていることがいっそう確実となった。また、鉄府では、海側のサイトにおいて結果率が相対的に高くなることも判明した。 レブンアツモリソウ集団間の遺伝的分化を解明するのに必要な遺伝マーカー(マイクロサテライトマーカー)の開発・設計を行なった。また、カラフトアツモリとの"交雑問題"を解決するうえで重要となるカラフトアツモリ各個体の遺伝的関係を解明した。さらに、個体群統計学的な分析に必要な当年分のデータも収集した。
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