研究課題/領域番号 |
16310159
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
三吉 一光 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (60312237)
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研究分担者 |
遊川 知久 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究主幹 (50280524)
山崎 旬 玉川大学, 農学部, 講師 (40241046)
水谷 高幸 九州東海大学, 農学部, 講師 (40241187)
神戸 敏成 財団法人花と緑の銀行, 中央植物園部, 主任研究員 (00393108)
三位 正洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30093074)
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キーワード | ラン科 / 種子 / in vitro / 種子貯蔵 / 保全 / 種子繁殖 / 非共生発芽 / 絶滅危惧種 |
研究概要 |
わが国に自生する300を超える分類群のラン科植物のうち、196の分類群は環境省のレッドデータリストの絶滅危惧のカテゴリーに属し、絶滅の危機と隣り合わせの状態が続いている。わが国の亜熱帯から亜寒帯に自生する地生ランの多くは、ラン科全体の中でも、種子発芽が著しく困難な"難発芽性"のグループに属し、種子繁殖が困難であると長い間認識されてきた。本研究では、本邦産の亜熱帯、暖温帯、ならびに冷温帯の3つの気候帯から17属40分類群の"難発芽性"ランの完熟種子を供試し、本邦産のラン科希少種に広く存在する種子の"難発芽性"機構の解明をおこない、非共生発芽法による効率的な種子繁殖方法の確立を第一の目的としている。また、本研究では、近年、研究代表者がアツモリソウにおいて確立した種子繁殖方法ならびに、本研究において検討する種子繁殖方法を応用して、貯蔵中の"難発芽性"ラン種子の発芽能力の推移を経時的に評価して、最適なラン種子の貯蔵条件の解明を進める。以上を第二の目的としている。 本年度は、昨年度までに得られた研究対象の分類群の完熟種子を用いて、従来発芽促進の方法が未着手もしくは報告がない幾つかの分類群において、効率的な発芽促進方法を確立した。これらの成果については学会において口頭発表を行い、続いて学術雑誌へ投稿するための原稿の作成を行なっている。また、大量の種子が確保できた、一部の分類群においては種子の低温ならびに液体窒素中における超低温貯蔵試験を開始し、経時的に発芽試験を行い効率的な貯蔵条件を明らかにしつつある。
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