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2004 年度 実績報告書

カリブ海社会アジア系のエスニシティ再構築:グローバル化とクレオール化

研究課題

研究課題/領域番号 16310162
研究種目

基盤研究(B)

研究機関神戸大学

研究代表者

柴田 佳子  神戸大学, 国際文化学部, 教授 (30183891)

キーワードエスニシティ / カリブ海 / グローバル化 / クレオール化 / ジャマイカ / 中国系 / 異種混淆 / 清明(嫁山)
研究概要

ジャマイカの中国系が2004年に到来150周年を迎え、その首都圏での記念諸行事など一連の動向を中心に、現地調査と資料収集を実施した。ジャマイカのインド系や他のカリブ海社会の研究についても主に図書館で文献調査し、今後の現地調査などの可能性についても探った。
80年代以降、フリーゾーン労働者やビジネスマン等として中国本土や香港から中国人が数多く来島し、それは、すでに国家社会に「統合」され特に経済的に社会の発展に大きく貢献してきた旧移民とその子孫である中国系ジャマイカ人のエスニック・アイデンティティを動揺させ、再活性化させる契機となってきた。90年代にいくつかのフリーゾーン工場の閉鎖により、彼らの可視性は減少したが、親族などを頼っての到来が続いている。この新移民と旧移民の間の齟齬や相互関係についても、インタビューや双方が参加する複数のエスニック・アソシエーションを通した場での参与観察などで調査した。
150周年を意識した行事は総括的協会である中華会館がリーダーシップをとって主催し、一般社会やメディアと交渉するなどして公示してきた。しかし一般市民の間での知名度にはかなりのばらつきが見られる。中国系の間での年中行事には社会で認知、賞賛されるものもあるが、そのいくつかを参与観察し、主催者及び参加者の意見を聴取した。150周年記念を意識して、中国系としての「誇るべき」アイデンティティは活性化し、自己追認された部分が多い。大きく変容し、喪失した部分もある「伝統」文化への憧憬や学習による覚醒現象なども顕在化している。北京語教室、「家族」ピクニック、開館したばかりの歴史博物館、中国系新年園遊会への参与観察、また英語に不自由な一世や新移民対象のキリスト教教会、新聞、文化協会の動向も探った。「嫁山」と客家語(広東語では「清明」)で呼ばれるかつての祖先崇拝儀礼については、インタビューなどで調査した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 人種化された境界を越えて:現代ガイアナにおける「アフリカ系」と「インド系」のインターマリッジ2005

    • 著者名/発表者名
      柴田佳子
    • 雑誌名

      異文化結婚:境界を越える試み(翻訳書)(Breger & Hill (eds.)ブレガー/ヒル編) (未定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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