研究課題/領域番号 |
16310168
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
松尾 和枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助教授 (90190404)
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研究分担者 |
喜多 悦子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (40075130)
酒井 康江 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助手 (80369090)
佐藤 珠美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (50274600)
小林 益江 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (90279232)
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キーワード | 地域看護 / 問題解決手法 / 地域の教育力 / 過疎地域 / ヘルスプロモーション / 家族機能 |
研究概要 |
研究目的:本研究は、2004年度から3年間、モロッコ王国の非都市部の健康問題について、公衆衛生学的視点から実態調査し、現地専門家とともに、地域の課題分析を行い、現地社会システムの中で可能な地域看護の問題解決手法を開発することを目的とする。 研究方法:調査は、モロッコ保健省の指定する1〜2のモデル地区で行い、分析と解決手法の開発は、日本(本学含む)で研修を受けた現地地域看護職の協力のもとに行う。 I、2005年調査目的 イフラン県やバクリット村の健康問題の現状を客観的に把握する。 1、妊産婦死亡実態、死亡原因の把握 2、保健医療福祉環境の実態 3、母子保健についての知識・認識・行動の把握と生活改善への動機付け(FGI) II、調査方法 バクリット村の健康問題を住民並びに関係者(支局Dr・Ns、バクリット村Ns、村の移送運転手(非公式)、村の代表者)、関係施設(産院、私立病院、CSCA)から把握するとともに、住民と問題状況を共有し、課題解決の方向性を検討するためのFGI(TBA、若い女性、若い男性、長老男性、若者長老男性混)を行う。 III、調査結果と介入の方向性 *イフラン県では病院が把握した妊婦死亡は0。乳児死亡は、2005年半期14件で、その内、地方は9件、原因は骨盤位・横位分娩(3件)と多い。→課題:妊婦並びに家族がリスクを早期発見し、対処できるようにする。→介入案:妊婦・家族へチェックポイントの教育。家長へ健診や早期対応の必要性を周知。 *若い男性とのFGIより出産季節は積雪時(11〜3月)が多く、難産・死産の経験多い。ピルの服薬方法、家族計画方法が理解できていない。→課題:冬季を避けた家族計画ができる。→介入:服薬方法・家族計画方法の指導(現地看護師キャンペーン開催を住民に約束)。 *若い女性は妊娠出産に強い不安を感じている。死産・難産の経験をもつ女性が多い。出産介助は、多くがTBA、家族の介助による出産も多い。*長老男性の価値観、「妊娠中、腹痛があっても黙って我慢している女だ。悪い女は、さっさと病院に行く」→課題:家長・家族が妊娠・出産のリスクと早期発見のための健康診断の意義を理解する。→介入案:妊娠期リスクの紹介。対象方法の周知。村人の絶対的な信頼のあるバクリット村のNsとの共同による啓蒙啓発活動の実施(来年の春モデル事業の開催を検討(今年の看護師研修生企画))。
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