研究課題/領域番号 |
16310169
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
松川 誠一 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (20296239)
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研究分担者 |
矢澤 澄子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (00106296)
清水 洋行 東京学芸大学, 教育学部, 専任講師 (50282786)
久場 嬉子 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50014808)
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キーワード | ケア / ケアワーク / 商品化 / ジェンダー・アイデンティティ / 感情労働 / 介護労働 |
研究概要 |
本研究の目的は本研究は、高齢者介護サービスを主たる観察対象として、ケア供給の場における商品化と官僚制化の傾向が、ケアワーカーが所属する事業体の組織文化を媒介項として、ケアワーカーの行為規範となる感情規則にどのような効果を及ぼし、さらにそれが、ケアワーカーのジェンダー・アイデンティティやケアの倫理、職業倫理(感)にどのような影響を与えているのかを探ることである。本年度は、次年度以降に予定されている調査票大量調査の概念設計のための研究とそれに関連する以下の聞き取り調査を行なった。 (1)周防大島において高齢者福祉事業に従事しているもしくは最近まで従事していた関係者(社会福祉協議会所属のケアマネージャー、元女性町会議員、グループホーム管理者)に対する聞き取り調査を行った。過疎地のため介護保険制度下のホームヘルプサービスでは効率が悪く、目が行き届かない。町内会役員がそれを補完するような形でインフォーマルな見守り業務を行っているが、担い手不足が深刻化しており、持続させることが難しい状況を迎えていた。また、大島町では前町長の福祉重点政策化が、町村合併により困難化していることが指摘された。 (2)井上千津子氏(京都女子大学家政学部教授)は、日本家庭奉仕員協会会長の経歴をもち、現在は大学において福祉専門職の養成にあたっている。現場の事情に精通するとともに、介護福祉士など福祉専門職の資格制度の立ち上げにも深く関与されてきた。現在のホームヘルプ職のあり方、特に資格制度のあり方やその問題点などを中心に、歴史的な経緯も含めた聞きとりを行なった。 (3)花井圭子氏(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局次長)は社会保障審議会・介護保険部会の委員として介護保険制度の改正作業に関わっていた。政府・委員会内で現行制度のどの点がどのように問題視され、将来像がどのように想定されているのかといったことを中心に聞き取り調査を行った。
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