研究課題/領域番号 |
16310170
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
伊豫谷 登士翁 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (70126267)
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研究分担者 |
坪井 秀人 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90197757)
成田 龍一 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (60189214)
平田 由美 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (60153326)
イ ヨンスク 一橋大学, 大学院・言語社会研究科, 教授 (00232108)
美馬 達哉 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20324618)
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キーワード | ジェンダー / グローバリゼーション / 移民女性 / 場所 / 境界 / 語り |
研究概要 |
本プロジェクトの目的は、ジェンダー研究とグローバリゼーション研究の接点から新しい問題領域を切り開くことを目的とし、昨年度は、「移動する女性」に焦点を当てて、家族や社会という概念のなかに孕まれる定住を前提としてきた分析枠組みを再構成し、文化表象分析と政治経済分析との連接を試みることにあった。平成19年1月には、<女性・移動・かたり>をテーマとするワークショップを開催し、グローバリゼーション研究という方法と用語としてのグローバリゼーション、定住の理論(物語)と移動の理論(物語)、移民不在の移民研究、移動文学と移動の文学、社会科学と人文科学の接点といった課題が出された。しかし、海外との比較を含めた方法について報告予定であったブレット・ド・バリー氏が急病のため参加できなかったため、5月に残された課題をめぐるワークショップを開催した。ブレット・ド・バリー氏の報告テーマは、1月のワークショップにおける問題提起を受けて、「可動性、空間、時間に関する考察」である。ここで出された課題は、グローバリゼーション研究とジェンダー研究といった二つの問題領域の接点あるいは境界領域という問題の立て方に対する方法的な問題提起と、社会科学が抱える課題に人文科学がいかに貢献しうるのかという論点であった。グローバリゼーション研究のひとつの側面を空間性や時間性の組み替えと考えるならば、欠落が常にフェミニンとしてコード化されているというジェンダー研究の側からの問題提起を社会科学がどのように受け止めることが可能であるのかという問題提起が、ブレット・ド・バリー氏から出され、ジェンダー研究や移民研究、社会学、文学批評、政治思想、歴史学などのワークショップ参加者との討議のなかで、ディスコースとしての問題だけではなく、ディスコースを越えた分析がグローバリゼーション研究の課題であるという指摘がなされるとともに、日米における大学改革において、人文科学と社会科学との共同作業のあり方をめぐって意見が出された。これら研究成果は最終報告書に収録する。
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