研究課題/領域番号 |
16310171
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
宮地 尚子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60261054)
|
研究分担者 |
安川 一 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00200501)
後藤 弘子 千葉大学, 大学院・専門法務研究科, 教授 (70234995)
|
キーワード | トラウマ / ジェンダー / セクシュアリティ / PTSD / 解離 / 性暴力 / DV / 精神医学 |
研究概要 |
1)「外傷性精神障害」やトラウマ反応にジェンダーが及ぼす影響、2)「外傷性精神障害」やトラウマ反応がジェンダーやセクシュアリティの構築に及ぼす影響、3)「外傷性精神障害」やトラウマ反応と、ジェンダーやセクシュアリティの構築との相互作用、を明らかにすることを目的に、学際共同研究を行った。 その結果、ジェンダーやセクシュアリティに基づく暴力は長期の親密な対人関係の中で起こることが多く、外傷的状況への順応や、「外傷的事件」とそれへの「トラウマ反応」の相互作用・悪循環がおこりやすいこと、ジェンダーやセクシュアリティの構築はその中に複雑に組み込まれておきていること、トラウマとジェンダーの交差する場所として「親密的領域」を理論的に捉え直す必要があること、そこでの愛着の混乱や感情調整困難、セクシュアリティと解離の親和性に目を向けることが重要であることなどが明らかになった。成果として、少年への性的虐待および男性性の傷つきとセクシュアリティについては、国際会議で発表した。医療現場におけるドメスティック・バイオレンス被害者への支援や介入のあり方について、トラウマとジェンダーの視点から再検討し、その成果を書籍化した。トラウマの発話可能性についてジェンダーやセクシュアリティの影響を重視して分析し、その成果を書籍化した。「専門家による性的ミスコンダクト」について共同研究会を行い、スイスの専門家の講義を翻訳、トラウマティックストレス学会雑誌に掲載した。DV被害者や解離性障害の治療に関して、米国の関連機関を視察し、研究者と交流した。また解離・トラウマ研究の国際学会に参加した。
|