研究課題/領域番号 |
16320003
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柴田 正良 金沢大学, 文学部, 教授 (20201543)
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研究分担者 |
服部 裕幸 南山大学, 人文学部, 教授 (40110754)
月本 洋 東京電機大学, 工学部, 教授 (30339064)
美濃 正 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (70181964)
長滝 祥司 中京大学, 教養部, 教授 (40288436)
柏端 達也 千葉大学, 文学部, 助教授 (80263193)
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キーワード | 感情機能 / クオリア / ニューラルネットワーク / 遺伝アルゴリズム / 機能主義 / 共感 / スーパーヴィーニエンス / 現象的意識 |
研究概要 |
1.本年度の課題の第一は、「感情を実現するニューラルネットワーク群」の細部の詰めを行い、その感情機能がどのよう意味で<感情>であるのかを検証することであった。ネットワーク群の完成度を高めるという点では、ほぼ初期の目的を達することができたと言ってよい。これは、ニューラルネットワーク群を訓練させる環境設定と一連の学習プログラムとして資料化されている。この人工的な感情機能の検証課題に、われわれはいわゆる「囚人のジレンマ」を選び、この機能が集団における協調行動を<計算によらずに>促すという、おおむね肯定的な結果を得た。この間の研究の中間的な報告は、平成18年8月に米国アトランタ市において開催された「感情についての国際会議」International Society for Research on Emotions (ISRE)、2006において、柴田および長滝によって研究発表としてなされた。また、さらに完成度を高めた段階でのニューラルネットワークとその検証結果に関しては、平成18年10月に、柴田および月本によって中部哲学会(名古屋)においてシンポジウム「情念について」の提題としてなされた。 2.課題の第二は、本研究の実験結果とそれを踏まえた理論的考察を社会に還元するために、このテーマに関する著作の公刊を進めることであった。これについては、『感情とクオリアの哲学(仮題)』という論文集の公刊を昭和堂(京都市)が正式に引き受けることになった。公刊時期は平成19年10月であり、本年度後半は、そのための議論をメンバー相互が重ね、学術論文を執筆メンバーが準備することに費やされた。その結果、掲載予定の論文の多くの原稿を、中間段階とはいえ「研究成果報告書」に収録することができた。なお、本本論文集の公刊のために、われわれは中京大学の出版助成金に応募し、それも獲得することができた。
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