研究課題
基盤研究(B)
本年度は本研究の初年度でもあり、まず、本研究を通して明らかにしようとする課題と、それがもつ意義に関して、全員の討議を通してあらためて確認を行うとともに、両大戦間に行われた日本とヨーロッパの哲学者のあいだの思想的交流と、それが日本の哲学の発展・形成に与えた影響に関して、分担研究者がそれぞれ、どのような領域の研究を担当し、具体的にどのような哲学者の思想形成をその主たる研究対象にするか、という点に関して、議論を行った。次にその議論を踏まえて、それぞれが担当する領域と人物に関して、実際にどのような交流が行われ、その交流を通してどのような形で思想形成が行われたか、あるいはこの交流を通してどのような形で思想の発展が実現したかを跡づけるために、資料・文献の調査や収集を行い、収集した資料をもとに、具体的な交流の跡を解明する作業を開始した。旅費や設備備品、および資料の調査・整理に対する謝金等は、当初の計画通り、これらの研究を遂行するために使用した。この作業を通して浮かび上がってきたのは、田辺元や和辻哲郎、三木清など、目本の哲学者の留学が1920年代に集中していること、そしてその期間にドイツやフランスにおいて、現象学や生の哲学、哲学的人間学など、20世紀の新しい思想潮流のほとんどのものが成立を見ていたことである。この新しい思想潮流に触れることによって、日本の哲学者が何を吸収したのか、とくにその点に力点を置いて本年度の研究を行った。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
日本のなかの世界の哲学(藤田・デービス編)
ページ: 64-87
理想 674号
ページ: 99-109
近代日本の成立-西洋経験と伝統(西村・高橋編)
ページ: 210-238
Synthesis philosophica 37
ページ: 7-17
ページ: 117-128
西洋哲学史観と時代区分(渡邊二郎監修)
ページ: 80-136