研究課題/領域番号 |
16320017
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
佐藤 一郎 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (30143639)
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研究分担者 |
木島 隆康 東京芸術大学, 美術研究科, 教授 (10345340)
桐野 文良 東京芸術大学, 美術研究科, 助教授 (10334484)
大西 博 東京芸術大学, 美術学部, 講師 (20345341)
田中 智恵子 東京芸術大学, 美術研究科, 非常勤講師 (20401507)
大竹 秀実 東京芸術大学, 美術研究科, 非常勤講師 (30401508)
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キーワード | 絵画技術 / 絵画材料 / 油画 / デジタル写真 / 保存修復 / アーカイブ / 明治期 / 自画像 |
研究概要 |
西洋画が日本に移入され、一世紀以上経過し、明治期油画は文化財としての価値が認められてきている。本学美術館には重要文化財「鮭」「収穫」など多数の明治期油画が収蔵されている。われわれ研究プロジェクトは、これまでの研究成果を、『明治前期油画基礎資料集成』(平成3年、中央公論美術出版)『明治後期油画基礎資料集成』(平成16年、中央公論美術出版)にまとめてきた。 これらの研究成果に基づき、東京美術学校西洋画科黎明期の卒業制作・自画像作品約50点に焦点を絞り、調査研究するものである。 本学美術館に収蔵されている自画像作品は、原則として卒業生全員に課せられた課題であり、その当時の日本の油画作品のトータルな水準を示すものである。具体的調査研究の方法は、自然科学的光学調査(正常光、側光線、赤外線、紫外線蛍光、X線)、クロスセクションの断層顕微鏡写真、元素同定を含んでいる。これらの調査結果から、詳細な記録(写真・文書)によるデータベースを作成し、絵画材料、絵画技術、保存修復の観点から考察を加えるものである。 現在、約40点の自画像作品の調査研究を継続しており、今年度は「橋本邦助」「速水不染」「三井由太郎」「盛岡柳蔵」「渡辺亮輔」「青木繁」「岩鼻正修」「熊谷守一」「小島寅次郎」「関屋敬次」の10点を調査研究した。「視覚の近代化、すなわち写実主義(リアリズム)がどのように定着したのか、そしてそれを支えている絵画材料、絵画技術の実態はどのようであるのか」探求している。表現方法には、思いのほかヴァリエーションの幅があり、明治前期(旧派、脂派)と明治後期(新派、紫派)油画作品の特徴とが入り乱れ、明治末期の青年の内面を照らし出している。 また、本研究では、従来のアナログ写真はもちろんのこと、デジタル写真撮影にも取り組んでいる。研究資料としての自画像作品のデジタル写真化であり、近い将来のアーカイブ社会の要求にも応えようとしている。200000000画素の高精細データができるようになっており、マクロデータとミクロデータが同存化しているといえよう。
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