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2005 年度 研究成果報告書概要

近世漆工芸基礎資料の研究-高台寺蒔絵を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 16320024
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学・美術史
研究機関独立行政法人国立博物館京都国立博物館

研究代表者

永島 明子  独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 学芸課・列品管理室, 研究員 (90321554)

研究分担者 日高 薫  国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助教授 (80230944)
竹内 奈美子  東京国立博物館, 文化財部, 主任研究員 (50270418)
研究期間 (年度) 2004 – 2005
キーワード近世 / 漆工 / 基礎資料 / 蒔絵 / 高台寺
研究概要

今回の研究では、下記のような諸点について考察を進めた。
(1)「高台寺蒔絵」の制作年代について
現在、高台寺に伝わる調度類を子細に観察すると、それぞれ、技法や意匠感覚が微妙に異なっていて、秀吉夫妻所用と一括りにされてはいても、制作年代にはかなりの幅があることをうかがわせる。
(2)「高台寺蒔絵」成立の過程
「高台寺蒔絵」は、蒔絵伝統様式の発展にともなって派生し、その後、江戸時代を通じて盛行していったようすがはっきりと見て取れる。
(3)蒔絵伝統様式と「高台寺蒔絵」の関係について
蒔絵は、小さな画面を高価な材料によって精密に飾ることを目的にした集約的な技術である。大画面や、大量の器物の装飾には向いていない。そのため、この時期の高台寺蒔絵は、技法、意匠の両面で、いくつかの新機軸を打ち出していく。
(4)「高台寺蒔絵」の編年
第1期は、この新様式の基盤が築かれた時期である。豊臣秀吉が覇権を確立した天正13年(1585)から、慶長3年(1598)に大坂城で歿するまでの間、約15年間。第2期は、新様式による作品が大量に造り出されて、その魅力が世人に受け入れられた時期。豊臣秀吉が残してから高台寺の開山を経て、北政所が亡くなるまで、おおよそ25年ほど。第3期は、高台寺蒔絵が新様式としての力を次第に失っていった時期、伝統様式との境界が再び曖昧になり、同様式への回帰傾向が明らかになった時期。17世紀の中葉から元禄年間(1688〜1704)くらいまで。
上記のような諸点をふまえ、今回の「高台寺蒔絵」研究では、(1)豊臣秀吉所用、あるいは秀吉より拝領との伝承の検討、(2)蒔絵粉の拡大比較などを主眼とした科学的なデータの集積、検討をおこなった。

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公開日: 2007-12-13  

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