研究課題/領域番号 |
16320028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
西澤 美仁 上智大学, 文学部, 教授 (50134424)
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研究分担者 |
浅見 和彦 成蹊大学, 文学部, 教授 (40102173)
木下 資一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (90134981)
小林 幸夫 東海学園大学, 人文学部, 教授 (50249299)
錦 仁 新潟大学, 人文学部, 教授 (00125733)
花部 英雄 國學院大学, 文学部, 専任講師
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キーワード | 高野山 / 天野 / 八上王子 / 田端普門寺 / フォークロリズム / 熊中奇観 / 長船吉兵衛貞常 / 西行腰掛石 |
研究概要 |
1,平成16年8月3日より5日まで、和歌山県高野山および熊野で西行伝承研究会(第9回)を開催した。3日は、丹生都比売神杜(伊都郡かつらぎ町上天野)社務所で、高野山奥の院維那(高野山大学元教授)日野西真定氏より「西行と天野の修験道」と題して講演があり、翌4日には高野山桜池院にて、「高野山と西行・西行伝承」と題するシンポジウムを行い、日野西氏を迎えて、研究会から花部英雄と西澤美仁が発言した。西澤は研究史を概括して、五来重や目崎徳衛の再評価を行った。花部は、東京都北区田端普門寺の西行庵を具体例として、「フォークロリズム」という民俗の再利用現象について考察、文字化された西行と口承の西行と伝承地との三者を結び付けるものとして、「文化」という概念を想定した。日野西氏は、高野山および天野に関する膨大な資料から、西行の妻娘が天野に住んだのは歴史的事実であることを立証しようとした。5日は、西牟婁郡上富田町役場会議室で南方熊楠記念館常務理事の樫山茂樹氏による講演、および八上王子・田中神社・稲葉根王子跡の現地調査を行った。 2,西行伝承資料の収集活動として、西澤は、9月・12月に和歌山、10月に岡山、2月には滋賀・愛知、3月に山口・広島・岡山・三重・京都を訪れて、それぞれの県(府)立図書館を中心に、主に江戸期の地誌から西行関係記事を収集したが、特記すべきは、12月に和歌山県立博物館で木村蒹葭堂『熊中奇観』を、3月には岡山県瀬戸内市で長船吉兵衛貞常の「西行腰掛石」に関する縁起(個人蔵)を調査したことである。西行伝承資料の、中でも伝承和歌の集成・体系化を菊地仁と企画しており、全国規模に及ぶ資料の収集を心掛けた。 3,また、小林幸夫は平成17年度の西行伝承研究会の準備作業を3月に三重県伊勢市を中心に行った。 4,研究代表者および分担者の研究論文については、別紙一覧に譲って割愛する。
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