研究課題/領域番号 |
16320028
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
西澤 美仁 上智大学, 文学部, 教授 (50134424)
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研究分担者 |
居駒 永幸 明治大学, 経営学部, 教授 (10159650)
菊地 仁 山形大学, 人文学部, 教授 (50125762)
木下 資一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (90134981)
小林 幸夫 東海学園大学, 人文学部, 教授 (50249299)
錦 仁 新潟大学, 大学院現代社会文化研究科, 教授 (00125733)
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キーワード | 西行伝承 / 西行庵 / 西行歌碑 / 鎌刃越 / 三佐野 / 興隆寺 / 佐久郡三十三所縁起 / 真田信之 |
研究概要 |
1.平成18年8月29日から31日にかけて、香川県坂出市及び善通寺市で西行伝承研究会(第11回)を開催した。坂出市では、西行の白峯入りの経路について、地元の伝承を実地体験すべく、岡山県玉野市の日比港及び渋川港から坂出市乃生港まで実際に漁船を借りて航海を体験した。さらに、西行庵伝承の残る真尾坂から鎌刃越に登り、日比・大槌・乃生・西行腰掛石・青海神社・稚児が嶽・白峯寺がほぼ直線的に連なっていることを研究会メンバー全員で確認した。善通寺市では、玉泉院及び曼荼羅寺の奥にある水茎の飼という二つの西行庵伝承を歴訪して遺物と共に確認し、捨身が嶽にも登って『山家集』記事を追体験した。法師越・長谷・西蓮という大高見峰(たかんぼさん)山麓に展開する西行伝承についても実地踏査した。前々日の27日から、文献資料及び草刈りなどの下準備も行った。 2.西行伝承資料の収集活動を、西澤・中西両名が長野を中心に、岐阜・山梨などでも行った。「信州に三佐野あり」といわれた、上高井郡山ノ内町の佐野、千曲市桑原及び北安曇郡白馬村の佐野について、山ノ内町では興隆寺住職の案内で西行歌碑・西行清水などを調査し、興隆寺活英『寺志』(文政13年1830)及び滝谷琢宗『萬松山興隆寺之賦』(文久3年1863)についても調査した。千曲市桑原では伴月楼記念館(旧象山桑原記念館)の関章館長から、白馬村では田中欣一氏から直接話を聞くことが出来た。また、津金寺住職矢崎大悟師の示唆により『佐久郡三十三所縁起』の伝承的意義に注意が向き、長野県立歴史館福島正樹氏・真田宝物館山中さゆり氏・松下愛氏に導かれて、真田信之と西行伝承との関連を知った(西澤「信州に西行塚-海野幸氏・禰津甚平・真田信之をめぐる西行伝承生成の仮説-」)。 3.「歴史の道調査報告書集成6〜10」を購入し、西行伝承資料の収集活動の一環とした。
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