研究課題
研究代表者・斎藤は、アルフィエーリ、モンティ、フォスコロ、ペッリコ等いわゆる(プレ・)リソルジメント期を代表する劇作家に関して、彼らを取り囲んでいた同時代のイタリアの政治・社会的情勢の中にそれらを正確に位置付けるべく、個々の作品を取り上げて同時代の思想史・政治史との関連を分析するとともに、その結果をより一層明瞭に浮き彫りにすることを目的として、マレンコ、ニッコリー二、ニエーヴォ、コッサ等、19世紀のその後の悲劇作品、およびフェラーリ、ジャコメッティ、ベルセツィオ、トレッリ、スカルペッタ、ヴェルガ、プラーガ、ジャコーサといった市民劇にも調査の範囲を拡大した。また、研究分担者のひとり長神は、近代イタリア語辞書史上極めて重要な役割を果たした辞典Giorgini-BroglioのNovo vocabolario della lingua italiana secondo l'uso di Firenze(1870-97)について、見出し語の選定、語釈の内容と配列、用例の内容について詳細な調査を行いつつ、そのデータ・べ一ス化を進め、すでに一応の調査を完了しているトンマゼーオのイタリア語辞典Dizionario della lingua italiana(1861-79)と合わせて、クルスカ学会編の辞典との比較研究を推進する同時に、とりわけマンゾー二の国語観とこれらの辞典との関連を追及した。いまひとりの研究分担者・天野は、マンゾー二最初の長編小説の試みである『フェルモとルチーア』の中で量的におおきなパーセンテージを占めていた《モンザの尼僧》エピソードに関して、内容の上では後の27年版『いいなづけ』にまで残された部分の推敲作業を整理・分析するとともに、それまで詩およびとりわけ悲劇にエネルギーを集中していたマンゾー二が文学活動の重心を小説に移すに至った理由、および歴史小説というジャンルの内包していた問題点と、それに対する彼の対処法に関して、彼の書簡や理論的著作に基く調査研究を行なった。
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世界の辞書(石井米雄編)((三省堂)) (印刷中)(所収)
イタリア学会誌 第56号
ページ: 42-70
Lo spazio linguistico italiano e le "lingue esotiche" : rapporti e reciproci influssi. Atti del XXXIX Congresso internazionale di studi della Societa di linguistica italiana(Milano, 22-24 settembre 2005)
ページ: 117-156
ページ: 14-15