研究課題/領域番号 |
16320046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立博物館京都国立博物館 |
研究代表者 |
赤尾 栄慶 独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 文化資料課, 保存修理指導室長 (20175764)
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研究分担者 |
興膳 宏 独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 館長 (70023984)
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
藤本 幸夫 富山大学, 人文学部, 教授 (70093458)
柳田 征司 奈良大学, 文学部, 教授 (10036410)
羽田 聡 独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 学芸課・展示広報室, 研究員 (30342968)
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キーワード | 両足院蔵書 / 五山文学関係 / 高峯東■(しゅん、日へんに俊の右側) |
研究概要 |
研究初年度にあたる本年は、1週間規模の調査を3回実施し、全体で約180箱あると見られる典籍類のうち、26箱分の調査を終了した。調査終了済みは、冊数にすると約2000冊になるかと見られるが、それらの各々について、書名・法量・装訂・外題・首題・尾題・版式・行数・訓点・奥書・刊記などの書誌学的事項を調書に記入した。 内容的には、まず第1箱目に明治期と見られる「蔵書目録」が存在することが確認され、明治期における典籍類の様子が把握可能となったばかりでなく、今後の重要な情報源となることが確認された。26箱約2000冊の大半が江戸時代に刊行された仏教典籍であったが、第7箱目には初学者のために仏典中の用語や故実などを注解した『釈子要覧』(宋、道誠編)の明時代万暦十一年(1583)の刊記を有する二巻本も確認された。この『釈子要覧』の調巻は、宋版では三巻本であるが、明時代では二巻本も出版されたことがわかる資料である。 その他では、両足院歴代の一人で江戸時代の建仁寺を代表する学僧、高峯東■(しゅん、日へんに俊の右側、1736-1801)の『金剛般若経』をはじめとした写経や撰述書・手沢本が数多く含まれていることが確認された。高峯東■(しゅん、日へんに俊の右側)は、18世紀後半に活躍した僧侶であり、江戸時代の建仁寺を代表する学僧の一人である。東■(しゅん、日へんに俊の右側)は、内外の学問に精通しており、江戸時代における両足院の蔵書収集の大きな役割を果たしたと見られ、今後の調査で更に数多い筆写本・手沢本などが確認されると思われる。
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