研究課題
本研究は言語表現の形成にかかわる規則性(狭い意味での文法規則)と非言語的な文脈に言及する言語使用規則との相互関係を明らかにし、これらを統合する言語理論の構築の基礎とすることを目的とする。本年度は以下のことを行った。2005年度から行っている宮古市池間島の方言記述のための調査を何回かにわけて行った。この調査内容はデジタルファイルとして記録され、整理された。また、音韻、語彙、文法の記述も行った。総計で100時間近い自然対話のデジタルファイルが得られ、方言記述だけでなく、二重言語使用の貴重なデータが得られた。これとは別に、すでにアナログデータとして記録されていた民話データのデジタル化を行い、これまでに10時間程度の民話データのディジタル化を行った。このほか20時間程度のエリシテーションデータを得て、音韻、形態、文法などの基礎資料とした。これらの調査の成果として参加した学生が池間島方言に関する修士論文を完成したが、ほとんどのデータの整理は残念ながら、本年度中には完成せず、次のプロジェクトの課題となった。また、本年度は最終年度のまとめとして、10月に京都大学でマルティプルグラマーに関するワークショップを開いた。これには、海外共同研究者であるアルバータ大学大野とロスアンジェルス大学岩崎、研究分担者金水、代表者田窪を含む20人ほどのクローズドのセッションで行われた。このワークショップの内容は、前年度の話し言葉のワークショップとともに英文の本として出版される予定である。また、田窪はロンドン大学SOASで開かれたJapanese Modality Revisitedという学会においてモダリティに関する招待講演を行い、金水も米国日本語教育学会で古典語に関する招待講演を行った。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
Japanese/Korean Linguistics 15. Center for the Study of Language and Information, Stanford (In : McGloin, N. et al.(eds.)) Vol. 15
ページ: 358-369
Japanese/Korean Linguistics 15. Center for the Study of Language and Information (In : McGloin, N. et al. (eds.)) Vol. 15
ページ: 440-451
言外と言内の交流分野 : 小泉保博士傘寿記念論文集(上田功・野田尚史(編))(大学書林)
ページ: 163-177
日本語学研究(韓国日本語学会) 17
ページ: 3-7
日本語文法(日本語文法学会(編))(くろしお出版) 6巻2号
ページ: 33-44