研究概要 |
国内外で行われた言語接触に関する研究から得られた知見を多角的に検討するため、全員で文献調査を行い、研究手順を明確化した。また、「移民コミュニティ言語研究会」を立ち上げ、当該分野ですぐれた業績をあげている研究者(金美善氏、エレン・ナカミズ氏、川上郁雄氏)を招き、三回にわたり公開研究会を開催した。 日比谷は本プロジェクト開始以前に既に収集していたデータを分析し、1月28〜30日にトロント大学で開催されたCanadian English in the Global Context学会で"Language shift in Canada : CCR in Japanese-Canadian English"という発表を行うと同時に、海外共同研究者のJ.K.チェンバーズトロント大学教授と今後の研究方向について議論した。 林は12月から1月にかけて3週間ほどドイツ・ベルリン市に滞在し、移民第2世代の若者たちのトルコ語へのドイツ語の影響について調査した。特に、ドイツ語の語彙項目がトルコ語の談話にあらわれる場合の形態上の変化に注目した。また、ドイツ語とトルコ語のコードスイッチングについて、予備的な調査を行った。なお、4月29日・30日にコペンハーゲン大学で開催されたシンポジウムLanguaging and Language Practices : Mutilingual Turkish speakers in North Western Europeに参加し、"A preliminary report on language awareness of Turkish students in Berlin"という発表を行った。 生越は在日コリアンの言語に関する先行研究を調査する作業を行った。3月には,在日コリアンの言語について研究している研究者10名によるワークショップを開催した。参加した研究者は在日コリアンの言語を研究している人をほぼ網羅しており,このような研究会が開催されたのは初めてである。ワークショップでは,各自が現在の研究状況について発表し,今後の研究の方向性について議論を行った。
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